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彼に「パトカーが後ろにいるので路肩に止まりましょう」と伝えると、
「冗談でしょ?」と返されたが、ルームミラーで確認するとやっと事態がわかって停車することになった。
車内では10マイルくらいのスピードオーバーで捕まえるとは、ファーゴのポリスも税金集めに大変ですね~なんて話しながら、シフトレバーをパーキングに入れ、ハザードランプを付けた。
LAだったらエンジンも止めて、キーをダッシュボードに置くのだが、やはり真冬のファーゴでそこまでやれとは言われないだろうと考えた。30秒くらいして現れたのは金髪・ブルーアイの25歳くらいでキャシャなボーイのポリスだった。こちらは窓を開けて両手は前に出してじーっとしていた。もう一人のポリスは後方で腰の銃に手を当てているのが見えた。
近寄ってきたヤングなポリスは変な動きをしたら撃ちますからオーラ全開で、「免許証を見せてください」と言った。「イエス、オフィサー!」と緊張気味に答えたが、2人とも免許証は知人宅に置いてきたことを忘れていた。
ヤングなポリスは「身分証明書は?」と聞いてきた。私は日本の免許と住基カードは持っていたが、パスポートも知人宅へ置いてあった。運転手の彼がパスポートを持っていたのでヤングなポリスに渡したところ、「誰の車ですか?」となり、アラモ・レンタカーだったので関係書類を渡す時も「コンソールを開けますから」と告げてから動作を始めた。
ヤングなポリスは3分ほどして戻ってきて「運転免許証を忘れないようにね」と優しく言ってくれた。「なぜ止めたのですか?」と聞くと、「速度が10マイルオーバーで見慣れないケンタッキー・ナンバーだったので」と教えてくれた。結局はイエスサー、アイアイサー、ヨイヤサーの無罪放免であった。
昨年8月には米国で黒人青年が警官に射殺される事件があったが、黒人側にも白人警官の指示を無視し、反抗的な行動や発言は決してお互いの利益になることはないとニューズ・ウイーク紙の黒人記者も言っていたことを思い出す。米国社会であっても自由とは別の見えないルールが存在する。豊かな社会から学ぶことは、まだたくさんありそうだ。
余談だが、ある米国人によると、あのようなキャシャでヤングなポリスのなかには、かなりの数で学生時代にいじめを受け、大人になると、そのときの恨みを返すかのように権力サイドに豹変する者がいるとか。
米国の温暖化の影響
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宮井能雅 ミヤイヨシマサ
西南農場
代表取締役
1958年3月、北海道長沼町生まれ。現在、同地で水田110haに麦50ha、大豆60haを作付けする。大学を1カ月で中退後、農業を継ぐ。子供時代から米国の農業に憧れ、後年、オーストラリアや米国での農業体験を通して、その思いをさらに強めていく。機械施設のほとんどは、米国のジョンディア代理店から直接購入。また、遺伝子組み換え大豆の栽培を自ら明かしたことで、反対派の批判の対象になっている。年商約1億円。
北海道長沼発ヒール宮井の憎まれ口通信
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