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今年の市場相場を読む

伸びる野菜の事情や背景さまざまに オクラ/カイワレ/オオバ/ミョウガ

不況からの転換期を迎え、消費者が取り戻したゆとりによってどんな野菜が伸びるのか、有望かといった観点から検証してきた。長い不況下にあっても、たくましく生産・出荷を伸ばした品目、生産者の創意工夫が実った品目、時代のトレンドが支援した品目など、その成長要因はさまざまだ。これから有望な品目のなかにはまだまだ輸入比率の高いものも少なくないが、こうした海外依存の分を国内産がどうやって代替していくのか、消費者の国産志向の高まりのなかで、生産者にとっては大きなテーマともなっている。現状把握にあたっては、組織的で科学的なマーケット分析から見ていくべきものである。

オクラ
鹿児島による「オクラ成功物語」、産地での自然増で輸入も消滅か

【概況】
東京市場のオクラは、いまや入荷量が3000tを超えてベスト50にランクインしている。長い不況期を経てきたにもかかわらず、1993年と2013年を対比すると、数量全体では6割近くも増えた。平均単価はほとんど変わらずに消費が増えているのだから、典型的な成長品目である。かつて15%程度のシェアしかなかった鹿児島産が3倍以上も伸び、首位だったタイ産を追い抜いてトップになった。


【背景】
入荷動向の大きな変化は、ピークである夏場を中心に、タイ産などの入荷量もほぼ倍増していることだ。ここに、もともとシェアがあった高知産に鹿児島産が加わり、大きなピークを形成している。モノが少なく、高い冬場に売るより、旬である夏場に大きな消費のピークをつくろうという方向性が当たった。20年前には輸入品は三分の一を占めていたが、いまでは四分の一になった。明らかに国産の代替傾向が見られる。

【今後の対応】
夏場に伸びているのは、さっぱりした“ねばねば食”が定着してきたからだ。本来なら夏秋産地である東北でもっと増産してもいいはずで、九州も夏秋期に生産できる。冬場の輸入品はあまり気にすることはない。鹿児島に限らず、西南暖地での増加によって、輸入は自然減する。ちょうどアスパラがそうだったように……。この20年のオクラの伸びは、単なる健康志向ではなく、日本人の夏の食文化に仲間入りしたことを意味する。

カイワレ
すでに事件は時効、新商材として和の食材、ツマ物出身、ハーブとも

【概況】
東京市場のカイワレの入荷動向を気にする人はあまりいない。過去20年で数量がなんと8割近くも減っているからだ。かつては夏場が需要期で、年末にも大いに売れていた。だが、いまはモヤシ業者の“副業”の地位に成り下がっている。では、カイワレはいわゆる衰退品目なのだろうか。実は、ツマ物出身のカイワレの清涼感とピリっとした食味は秀逸である。15年も前、“事件”があったが、冤罪でしかも時効だ。


【背景】
生産業界だけがまだトラウマに陥っている感があるが、メーカーもそれほどヤワではない。ブロッコリースプラウトや豆苗の新しい商品化で、業界全体は成長を果たしてきた。ひっ迫がニュースになっているモヤシの原料としての緑豆は、中国などが緑豆を本来の春雨に使い始めたら、モヤシの原料としての将来性はないという判断はもう20年も前から下っている。カイワレもかつての面影はないものの、ショーケースに必ず指定席がある。


【今後の対応】
カイワレは和の伝統食材でもある。かつて全盛期に6000t以上入荷し、ツマ物からの大出世野菜と騒がれた“過去の栄光”さえ捨てられれば、サラダや手巻き寿司、スパゲティーといったような具合に広い用途でもっと家庭向けに定着していくだろう。若い人たちにはほぼ新商品として受け入れられるはずだ。現在の小売単価はキロ400円以上する場合もあるが、200円台であれば量販店も品ぞろえにためらわない。

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