ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

人生・農業リセット再出発

集客請負人

北海道の女満別空港から車で2時間、大雪山のふもとに無名の「山の水族館」がある。
コンクリート壁の窓から水槽をのぞく古い造りだが、日本最大の淡水魚である絶滅種のイトウが40匹も地下水で泳いでいた。貧乏な田舎町だが、なんとかして建て替えたいと日本で唯一の水族館プロデューサー、中村元さんに依頼が来た。彼は弱点を強みにする発想で大成功させ、誰も足を運ばなかった田舎の水族館を日本中から人が押し寄せる有名観光地に大化けさせる。地下水で大きな滝つぼを造り、水面がマイナス20℃に凍りつく氷河状態の激流で泳ぐ巨大なイトウの群れを水中の下のガラスから見上げるように仕組んだ。財政がなかったため、町民総出のボランティア作業で製作した。温泉あり、凍りついた水面下にある大自然の「北の大地の水族館」は貧乏水族館奮闘記のエピソード・ストーリーづくりにも成功して評判を呼ぶ。3億5,000万円の資金で整備したものが、年間2万人だった入場者を1年間で15倍の30万人にして、経済効果は43億円になった。 弱点は克服するのではなく、武器。弱点があるからこそ生物は進化してきた。進化の反対は退化ではなく、退化こそ究極の進化なのだと彼は言う。三重育ちで、東京の大学でマーケティングを勉強すると地元に帰って鳥羽水族館に入社。魚の分類もわからない素人が水産学校出の占める世界で飼育係を志望する。無理だと言う館長に3年だけでもと頼み込み、アシカチームに入る。素人に任されたアシカも落ちこぼれ組、首に投げる輪投げも何回も外すが、アシカたちは落とした輪を拾って自分の首にかける始末。ところが、これが受けた。危険ではないことを体験していたから舞台との柵をなくし、アシカたちと触れ合う距離にお客を近づけて歓声と感動体験で評判になった。

関連記事

powered by weblio