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【人生・農業リセット再出発】
集客請負人
- 作家 元国際線乗務員 黒木安馬
- 第169回 2015年04月06日
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コンクリート壁の窓から水槽をのぞく古い造りだが、日本最大の淡水魚である絶滅種のイトウが40匹も地下水で泳いでいた。貧乏な田舎町だが、なんとかして建て替えたいと日本で唯一の水族館プロデューサー、中村元さんに依頼が来た。彼は弱点を強みにする発想で大成功させ、誰も足を運ばなかった田舎の水族館を日本中から人が押し寄せる有名観光地に大化けさせる。地下水で大きな滝つぼを造り、水面がマイナス20℃に凍りつく氷河状態の激流で泳ぐ巨大なイトウの群れを水中の下のガラスから見上げるように仕組んだ。財政がなかったため、町民総出のボランティア作業で製作した。温泉あり、凍りついた水面下にある大自然の「北の大地の水族館」は貧乏水族館奮闘記のエピソード・ストーリーづくりにも成功して評判を呼ぶ。3億5,000万円の資金で整備したものが、年間2万人だった入場者を1年間で15倍の30万人にして、経済効果は43億円になった。 弱点は克服するのではなく、武器。弱点があるからこそ生物は進化してきた。進化の反対は退化ではなく、退化こそ究極の進化なのだと彼は言う。三重育ちで、東京の大学でマーケティングを勉強すると地元に帰って鳥羽水族館に入社。魚の分類もわからない素人が水産学校出の占める世界で飼育係を志望する。無理だと言う館長に3年だけでもと頼み込み、アシカチームに入る。素人に任されたアシカも落ちこぼれ組、首に投げる輪投げも何回も外すが、アシカたちは落とした輪を拾って自分の首にかける始末。ところが、これが受けた。危険ではないことを体験していたから舞台との柵をなくし、アシカたちと触れ合う距離にお客を近づけて歓声と感動体験で評判になった。
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黒木安馬 クロキヤスマ
作家 元国際線乗務員
高校時に米国留学後、早稲田大学を経てJAL国際線客室乗務員として30年勤務。世界初の「カラオケ・フライト」や「1万メートル上空・北島三郎機上コンサート」などを実現させる。千葉の自宅は1300坪の山林を開墾してプール、テニスコート、コンサートホール等を手作りする。現在、(株)日本成功学会社長として自己啓発や社員教育で講演中。著書に『成「幸」学』(講談社)、『あなたの人格以上は売れない!』(プレジデント社)、『出過ぎる杭は打ちにくい!』(サンマーク出版)、『面白くなくちゃ人生じゃない!』(ロングセラーズ)、『リセット人生・再起動マニュアル』(ワニブックス)、『小説・球磨川』(上下巻・ワニブックス)などがある。 E-mail:yasuma@myad.jp URL:http://www.3percent-club.com
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