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【紀平真理子のオランダ通信】
ヨーロッパでの日本食材販売(後編)
- 紀平真理子
- 第22回 2015年04月28日
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昨年10月、オランダ中部のアーネムで行なわれたフードバレー財団のイベントを訪ねた。以前、本誌でも取り上げたことのある同財団は、約150の企業や研究機関、政府関連組織が加盟しており、ネットワークを生かして国内のみならず、世界中の企業や研究機関の要求に合った企業を紹介するマッチメイキングを実施している。
イベントには日本人の姿もあった。商品開発のために新しいコンセプトを求めて来場した食品会社社員や同財団の会員の企業関係者など5組ほどがいた。会員の一人はこう述べた。
「日本の顧客からの要望をフードバレー財団に相談すると、マッチする企業を紹介してもらえる。ヨーロッパでは直接企業にコンタクトしても取り合ってもらえない場合が多い。その意味で財団の紹介制度は助かっている」
また、このイベントではネットワーキングブースが設置されており、オープンスペースで各社が10分程度のプレゼンを行なっていた。その場で質疑応答を繰り返し、同日に個別商談まで済ませる。財団職員によるマッチメイキング相談個別ブースもあり、常に相談者であふれ返っていた。
そんななか、筆者が興味を持ったのは来場者が口々に「やり手」だと話すYAMA PRODUCTS B.V.(以下、YAMA社)というオランダ人経営の日本調味料の輸入会社だ。彼らのモットーは、日本の味をオランダ人に伝え、受け入れてもらうことにある。ただ、オランダ人顧客に合わせた商品選択と提案を実施している。というのも、食の多様化が進んでいるオランダながらまだ肉食が多いことから、「たまりじょうゆは肉に合う」と日本の味がオランダの食卓に合うよう提案方法を工夫しているそうだ。さらに、サラダなどに合う「しょうゆベースの甘めのタレ」や「ゴマドレッシング」は大ヒットしており、いまでは最大手スーパーマーケットチェーンに日本食コーナーが設けられているほどで、普通にこれら商品を手にできるまでになった。
「日本の顧客からの要望をフードバレー財団に相談すると、マッチする企業を紹介してもらえる。ヨーロッパでは直接企業にコンタクトしても取り合ってもらえない場合が多い。その意味で財団の紹介制度は助かっている」
また、このイベントではネットワーキングブースが設置されており、オープンスペースで各社が10分程度のプレゼンを行なっていた。その場で質疑応答を繰り返し、同日に個別商談まで済ませる。財団職員によるマッチメイキング相談個別ブースもあり、常に相談者であふれ返っていた。
そんななか、筆者が興味を持ったのは来場者が口々に「やり手」だと話すYAMA PRODUCTS B.V.(以下、YAMA社)というオランダ人経営の日本調味料の輸入会社だ。彼らのモットーは、日本の味をオランダ人に伝え、受け入れてもらうことにある。ただ、オランダ人顧客に合わせた商品選択と提案を実施している。というのも、食の多様化が進んでいるオランダながらまだ肉食が多いことから、「たまりじょうゆは肉に合う」と日本の味がオランダの食卓に合うよう提案方法を工夫しているそうだ。さらに、サラダなどに合う「しょうゆベースの甘めのタレ」や「ゴマドレッシング」は大ヒットしており、いまでは最大手スーパーマーケットチェーンに日本食コーナーが設けられているほどで、普通にこれら商品を手にできるまでになった。
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紀平真理子 キヒラマリコ
1985年、愛知県生まれ。2011年、オランダへ移住し、食や農業に関するリサーチ、本誌や馬鈴薯専門誌『ポテカル』への寄稿を開始。2016年、オランダVan Hall Larenstein University of Applied Sciences農村開発コミュニケーション修士卒業。同年10月に帰国し、農業関連記事執筆やイベントコーディネート、海外資材導入コーディネート、研修・トレーニング、その他農業関連事業サポートを行なうmaru communicateを立ち上げる。今年9月、世界の離乳食をテーマにした『FOOD&BABY 世界の赤ちゃんとたべもの』を発行。食の6次産業化プロデューサーレベル3認定、日本政策金融公庫農業経営アドバイザー試験合格。
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