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紀平真理子のオランダ通信

ヨーロッパでの日本食材販売(後編)


YAMA社は、イベントの参加者に乾燥昆布を宣伝するため、うまみについてのプレゼンを行なった。日本特有の味に関する説明方法が西洋文化でも理解しやすいと感じたので紹介する。
まず初めに、うまみとはグルタミン酸、MSG(グルタミン酸ナトリウム)、E621(グルタミン酸ナトリウムを指すE番号)として知られている調味料だという説明から入った。その後、トマトや鶏肉、チーズなどなじみのある他の食材に含まれるグルタミン酸量を伝える。そして、1900年以前のアジアとヨーロッパのうまみ比較(アジアは塩、しょうゆ、海藻、魚醤、ヨーロッパは塩、スパイス、ピクルス、肉エキス)と続き、MSGや減塩など、現在のうまみのトレンドについて言及した。実際、5種類のスープを試飲させ、参加者に味の違いを実感させることもした。1杯目はMSGを0.2%含んだ水、2杯目はミルポア(注:スープやソースのベースになる野菜の総称)を2%含んだ水、3杯目はそのミックス、4杯目はMSGが低い減塩チキンブイヨン、そして5杯目は4杯目に乾燥昆布でとっただしを加えたものだ。
論理的な西洋文化では「なんとなくおいしい」「味に深みがある」といった感覚でものを理解することが苦手だ。おいしさや味の深みの理屈を説明し、実感させるアプローチ方法が新たな味を西洋文化に伝えるカギになるはずだ。

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