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YAMA社は、イベントの参加者に乾燥昆布を宣伝するため、うまみについてのプレゼンを行なった。日本特有の味に関する説明方法が西洋文化でも理解しやすいと感じたので紹介する。
まず初めに、うまみとはグルタミン酸、MSG(グルタミン酸ナトリウム)、E621(グルタミン酸ナトリウムを指すE番号)として知られている調味料だという説明から入った。その後、トマトや鶏肉、チーズなどなじみのある他の食材に含まれるグルタミン酸量を伝える。そして、1900年以前のアジアとヨーロッパのうまみ比較(アジアは塩、しょうゆ、海藻、魚醤、ヨーロッパは塩、スパイス、ピクルス、肉エキス)と続き、MSGや減塩など、現在のうまみのトレンドについて言及した。実際、5種類のスープを試飲させ、参加者に味の違いを実感させることもした。1杯目はMSGを0.2%含んだ水、2杯目はミルポア(注:スープやソースのベースになる野菜の総称)を2%含んだ水、3杯目はそのミックス、4杯目はMSGが低い減塩チキンブイヨン、そして5杯目は4杯目に乾燥昆布でとっただしを加えたものだ。
論理的な西洋文化では「なんとなくおいしい」「味に深みがある」といった感覚でものを理解することが苦手だ。おいしさや味の深みの理屈を説明し、実感させるアプローチ方法が新たな味を西洋文化に伝えるカギになるはずだ。
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紀平真理子 キヒラマリコ
1985年、愛知県生まれ。2011年、オランダへ移住し、食や農業に関するリサーチ、本誌や馬鈴薯専門誌『ポテカル』への寄稿を開始。2016年、オランダVan Hall Larenstein University of Applied Sciences農村開発コミュニケーション修士卒業。同年10月に帰国し、農業関連記事執筆やイベントコーディネート、海外資材導入コーディネート、研修・トレーニング、その他農業関連事業サポートを行なうmaru communicateを立ち上げる。今年9月、世界の離乳食をテーマにした『FOOD&BABY 世界の赤ちゃんとたべもの』を発行。食の6次産業化プロデューサーレベル3認定、日本政策金融公庫農業経営アドバイザー試験合格。
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