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今年の市場相場を読む

これからも伸びるか緑黄色野菜 アスパラガス、ブロッコリー、ピーマン、ニンジン

緑黄色野菜は、見た目も色が濃いために栄養豊富なイメージが強く、過去20年にわたる不況下にあっても、その消費量や購買量を維持してきた。家計にゆとりがなくても、「健康」だけには配慮したいという母親たちの頑張りでもあるのだろう。が、機能性についていえば、緑黄色野菜だけが有利というわけではなく、他品目の機能性表示も解禁になった。栄養面はともかく、食品メーカーのテレビCMではダイコンやナスのような野菜をじつにおいしそうな料理に仕上げている。長い不況を耐え抜いた緑黄色野菜は、これからも変わらぬ支持を得ていくのだろうか。
アスパラガス
国産比率高くなり単価も上がる、北海道中心に東北産地の振興を

【概況】
東京市場でのこの20年間のアスパラガスの推移を見るとなかなか興味深い。全体で4%も増えて需要全体が伸びており、平均単価も8%も高くなっているのは国産比率が増えたためである。もう一つの大きな特徴は、1993年では季節産地の代表格・長野が25%を占め、年明けの需要を獲得した米国が16%。それが2013年では、春から秋までの長期出荷の佐賀と春先までの季節産地・メキシコが拮抗していることだ。

【背景】
長期栽培できる立茎型の生産が普及した佐賀と長崎をはじめ、福岡や熊本を合わせると九州産は3割近いシェアだ。夏秋には福島産に加えて栃木産や秋田産などが増え、その影響で輸入が激減して入荷数量は増えても単価が高くなった。年間を通じて入荷は平準化する方向にあるが、全国の生産現場での立茎栽培への挑戦、長野のように農家に苗から配布するなど各地の振興策が効果を挙げてきた。ホワイトアスパラガスに積極対応する産地も出てきた。

【今後の対応】
アスパラガスが20年経っても成長し続けているのは、輸入を含めて国産の数量が増え、周年利用できるようになったからで、緑黄色野菜だからというだけの理由ではない。本場・ヨーロッパなどでは春の典型的な野菜だが、日本では明らかに利用の多い夏秋期の野菜である。そのための東北や北海道、長野などの夏の産地が充実する必要がある。北海道の場合、ギフト需要でほとんど直売してしまうというもったいない現象はなんとかならないか。

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