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イベントレポート

みんなで考えよう鮭川「わいわいミーティング」/2015年度土を考える会 総会・研修会

みんなで考えよう鮭川
「わいわいミーティング」
~山形県最上地方鮭川村、「農村消滅論からの大転換」へ~

講演: 「農村消滅論からの大転換」 
カルビー(株) 相談役 松尾 雅彦氏
パネルディスカッション:
「鮭川みんなで村づくり」 コーディネーター 昆 吉則
【松尾氏、鮭川村に
スマート・テロワールを提案】

山形・鮭川村の鮭川地域戦略会議が主催する「みんなで考えよう鮭川『わいわいミーティング』」が3月24日、鮭川村農村交流センターで開催され、カルビー(株)相談役でスマート・テロワール協会会長の松尾雅彦氏が講師を、本誌編集長の昆吉則がパネルディスカッションのコーディネーターを務めた。
鮭川村は、山形県北部の最上地方8市町村のうちの一つで、JR山形新幹線の終点、新庄駅から車で約20分のところにある。村の中央を流れる清流鮭川は、村名の由来となっており、水の清らかさとその豊かな生態系は村の誇りでもある。
農業を基幹産業とする鮭川村は、コメのほか、キノコや花卉を生産し、そのほとんどを市場出荷している。
講演会には、平日にもかかわらず、人口5千人の村から約150名が参席し、村の将来に対する村民の関心の高さがうかがえた。
鮭川村長の元木洋介氏は冒頭の挨拶で、鮭川村の人口減少と農業の将来に対する危機感を来場者に伝えた。
「日本創成会議が昨年、『896の自治体の消滅可能性』を発表した。鮭川村は山形県のなかでも20~39歳の女性の人口が最も少なく、人口が減っていく村だと言われている。我々は今、危機感を持っている。農業に対してはさまざまな奨励作物を示しているが、なかなかコメから脱却できないというのが現状だ。農産物を生産、加工、販売して、地域循環していくことが小さな村が生き残ることだと思う」
松尾氏は講演で、自身が提案する「スマート・テロワール」を次のように説明した。
「同じ気候風土で同じ農産物の栽培方法をとり、住民が共通の郷土愛を持っている地域で、かつ、消費者が参加している地域である」
松尾氏は、この考え方を鮭川村に当てはめると、最上地方8万人が一つのテロワールになると話し、地域の価値を上げるために村や個人がそれぞれどんな貢献ができるか考えることを勧めた。そして、鮭川村が「スマート・テロワール」運動に立ち上がることを提案し、この日をそのきっかけにしようと呼びかけた。

【地元の農産物を
地元で加工し、消費する】

パネルディスカッションには松尾氏、昆を含め8名が参加した。昆は、松尾氏の講演を踏まえて、次のテーマをパネラーに投げかけた。
「現在は過剰の社会であり、農業に限らずさまざまなことが限界にきている。今までのように大消費地に農産物を売ったり安く輸入した農産物を加工したりする方法を改め、いかに地域で農産物を消費するか」
パネラーからは次のような意見があった。

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