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イベントレポート

第2回 とことんオーガニックシンポジウム2015 環境と農業 ―有機農業の原点がマーケットを活性化する―


一方、登壇した若い世代は、安全・安心、健康を訴えるよりも、おいしいという品質によってオーガニックが選ばれる時代になったという認識を確認した。さらに、都会に暮らす人々にとっては農産物だけでなく、農的暮らしへの関心も高まり、CSA(地域が支える農業)も価値を共有しやすい取り組みになりつつある。
こういった新たな視点が加わることで、オーガニックマーケットの可能性に新しい動きが広がっているようだ。これから始まる取り組みにも注目したい。

テーマ01
有機農業の原点
―真の環境保全型農業を目指す―

木村秋則氏
(『奇跡のリンゴ』で有名な自然栽培農家)
「肥料や農薬は世界の食料供給に大きく貢献してきたが、長年にわたる使用により状況が変わってきた。生態系を守ろうという思いのもと、自然栽培も有機栽培などいろいろな栽培方法がバラバラに動くのは意味がないのではないか。目的は同じで、顧客に安心していただける安全な農産物を届けたいということでしょう」

魚住道郎氏
(NPO法人日本有機農業研究会・副理事長)
福島第一原発事故による、福島県内の有機生産者の現状を紹介し、「森は海の恋人」というキーワードを提示した。まだ影響を受け続けている東北、関東地方の有機生産者も、事実をもってやっていけば必ず立ち直れると、激励した。

井村辰二郎氏
((株)金沢大地・取締役)
石川県金沢市で機械体系を駆使して米・麦・大豆のオーガニック栽培を約130ha規模で行なっている。自身の取り組みを紹介した後、いくつかの問題提起をした。「(オーガニック・有機農業・自然農業、環境保全型農業・特別栽培・無農薬・無化学肥料・有機JASなどをそれぞれ掲げて)農業者や流通・有機農業者・関係者が複雑にしていませんか?」「地産地消の範囲は、石川県能登で生産したものを金沢圏47万人では消費しきれず、東京や大阪などの消費地に届けないと消費できない」と理想と現実のギャップを具体的に指摘した。

菅野正寿氏
(NPO法人福島県有機
農業者ネットワーク・
理事長)
福島県二本松市東和地区で震災後も有機農業を続けている経験を報告した。「震災後も多くの研究者が訪れ、データを取り続けている。空間線量は1/4以下になったが、山の除染は未だに深刻な問題で、山菜などは出荷制限が続いている。都市と農業者が協力した住民参加型の活動を続けていきたい」

荘林幹太郎氏
(学習院女子大学教授)
「国民の納得する農業」というテーマに即して、レファレンスレベルという概念を紹介した。レファレンスレベルとは、農業生産が持続的に食糧の安定供給と環境にプラスの影響をもたらすということについて、営農方法を決める農業者と社会の責任の境界線を示す概念のことである。「現在の日本は、国民にとってどのような農業を守るべきかについての基準が不在で、リファレンスレベルを明確にすることが早急に求められる。このままでは保護に対する理解が得られなくなる」と危惧した。

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