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【編集長インタビュー】
農業の仕組みを変えたいという思いは変わらず、農家の待遇のボトムアップが今後の目標
- (株)農業綜合研究所 代表取締役 及川智正
- 2015年05月27日
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農業の仕組みを変えたい
昆吉則(本誌編集長) 及川さんには2009年に小社が開いた第1回のA‐1グランプリ(農業ビジネスプランコンテスト)に出場していただきました。そこで農協系のファンド会社から気に入られて、グランプリの次の賞である奨励賞を獲得されましたね。
及川智正 その節はありがとうございました。あれは独立して2年目のときですね。
昆 ただその後、地元からクレームが出て、受賞がキャンセルになるというご迷惑をおかけしました。あれは忘れてはいけないことです。地域農業を変革するテーマなのにもかかわらず、「あいつはまずい」という批判が農業界から出たわけですから。今回はあのプレゼンに戻って、農業への思いをもう一度お話しいただければと思います。もともとは非農家で農業にあこがれを持っていたんですよね?
及川 はい。東京農大で農業経済学を学んでいました。100年後の農業がどうなるのかを検証すると悪いデータしか出ないので、これはまずいんじゃないのと危機感を感じて、農業関係の仕事をしようと思っていたんです。でもバブルもはじけて、大学生活はお酒ばかり飲んでいたものですから、就職先がなかった。そうしたら東京の半導体系企業が拾ってくれて、6年間栃木で営業をやっていました。一方で、農業の仕組みを変えたいという気持ちも残っていたんですけど、現場で取り組まないことには説得力がない。そんなとき、和歌山で普及員の仕事をしていた妻と結婚したら、実家が農家だったこともあって僕が寿退社をしまして(笑)。義父の下でキュウリ農家を始めたんです。
昆 やってみてどうでした?
及川 1年間やって思ったのは、なんてつまらないんだろうということです。サラリーマン時代にお客さんから「ありがとう」「よろしく」と言われてモチベーションが上がっていたのが、ここでは100%農協出荷だったので、伝票をもらって終わりなんですよ。
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及川智正 オイカワトモマサ
(株)農業綜合研究所
代表取締役
1975年東京都生まれ。98年東京農業大学農学部(現・国際食料情報学部)卒業後、半導体用産業ガス専門商社に入社。2002年結婚を機に妻の実家がある和歌山県に居を移し、新規就農。施設園芸を行なうとともに独自の販路を開拓する。05年エフ・アグリシステムズ株式会社関西支社設立。07年10月株式会社農業総合研究所を設立。先の第1回A-1グランプリに出場し、奨励賞を受賞した。
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