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【紀平真理子のオランダ通信】
有機栽培のBioRomeo社
- 紀平真理子
- 第23回 2015年05月27日
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1980年代に慣行農業に取り組んでいた父は90年に有機栽培へ転向する。当時のことをこう振り返る。
「生産制限や補助金システムはいずれ終わりを迎える。スーパーマーケットの台頭で販売価格は下落し、輸入に頼っている形態の農業では先が見えない。今後、環境に配慮して健康に良く、消費者に近い農業が必要だと感じた。とはいえ、有機栽培農家は当時のオランダには5~6軒しかなかったよ」
そんな時代だからこそ周囲の目は冷ややかだったようだ。
「『有機栽培の作物を購入する人なんて一部の金持ちだけで需要はないよ』。よく言われたもんだね。でも、人生は選択だ。金持ちでも食べ物にこだわらず、旅行にお金を使う人もいれば、余裕がなくても食べ物は安心できるものを食べたいという人もいる。こればっかりは信念で貫いたね」
現在の経営面積は70haになる。作付品目は数多く、小麦や20種類のジャガイモ、ホウレンソウ、カラフルニンジン、タマネギ、チコリ、キャベツ、白キャベツ、パースニップ、根セロリ、セロリ、カボチャ、ビーツ(赤・黄)、イチゴ、ルバーブ、スイートコーン、アーティチョーク、黒カラスムギ(注:雑草防除のために育て、種子を販売)など多様な作物を生産している。こうして多品目を手がけるのは連作障害の回避に加え、リスク軽減のためだ。有機栽培を始めたときからそうしてきたという。
親子が最も重要だと考えているのは、顧客への直販であり、有機栽培はそのプラスαという位置づけになる。
「生産制限や補助金システムはいずれ終わりを迎える。スーパーマーケットの台頭で販売価格は下落し、輸入に頼っている形態の農業では先が見えない。今後、環境に配慮して健康に良く、消費者に近い農業が必要だと感じた。とはいえ、有機栽培農家は当時のオランダには5~6軒しかなかったよ」
そんな時代だからこそ周囲の目は冷ややかだったようだ。
「『有機栽培の作物を購入する人なんて一部の金持ちだけで需要はないよ』。よく言われたもんだね。でも、人生は選択だ。金持ちでも食べ物にこだわらず、旅行にお金を使う人もいれば、余裕がなくても食べ物は安心できるものを食べたいという人もいる。こればっかりは信念で貫いたね」
現在の経営面積は70haになる。作付品目は数多く、小麦や20種類のジャガイモ、ホウレンソウ、カラフルニンジン、タマネギ、チコリ、キャベツ、白キャベツ、パースニップ、根セロリ、セロリ、カボチャ、ビーツ(赤・黄)、イチゴ、ルバーブ、スイートコーン、アーティチョーク、黒カラスムギ(注:雑草防除のために育て、種子を販売)など多様な作物を生産している。こうして多品目を手がけるのは連作障害の回避に加え、リスク軽減のためだ。有機栽培を始めたときからそうしてきたという。
親子が最も重要だと考えているのは、顧客への直販であり、有機栽培はそのプラスαという位置づけになる。
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紀平真理子 キヒラマリコ
1985年、愛知県生まれ。2011年、オランダへ移住し、食や農業に関するリサーチ、本誌や馬鈴薯専門誌『ポテカル』への寄稿を開始。2016年、オランダVan Hall Larenstein University of Applied Sciences農村開発コミュニケーション修士卒業。同年10月に帰国し、農業関連記事執筆やイベントコーディネート、海外資材導入コーディネート、研修・トレーニング、その他農業関連事業サポートを行なうmaru communicateを立ち上げる。今年9月、世界の離乳食をテーマにした『FOOD&BABY 世界の赤ちゃんとたべもの』を発行。食の6次産業化プロデューサーレベル3認定、日本政策金融公庫農業経営アドバイザー試験合格。
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