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顧客に喜ばれる麦・大豆づくり

~豆腐メーカーと戦略を共にできるか~


そのような状況にあっても、町の豆腐屋のなかでもいわゆる「こだわりの豆腐屋」と呼ばれるところは、商品開発を強化し、特徴のある商品を打ち出して経営を継続している。地大豆の希少価値や製法、凝固剤などにこだわることで、大手メーカーの国産大豆の商品よりもさらに高値で販売している。

大手は多収品種の拡充と品質の均一化を求める

13年度産大豆の低収量の影響が続くいま、大手メーカーも中小零細の町の豆腐屋も、とにかく量と価格に対する関心が高いのが実情だ。収量が08年度並みに戻れば、大手に必要とされるのは、大ロット化と品質の均一化である。
大手メーカーには、豆腐と納豆の両方を製造しているところが多い。輸入・国産の両方を含めた大豆の使用量は、最大手で年間3万t以上、ついで2万t前後、1万t前後が数社ずつである。大手メーカーと呼ばれるのは3000~4000tクラスまでである。
大豆を豆腐や納豆などの加工業者に卸す二次問屋として全国一の規模を誇る武陽食品(株)取締役の釜井正人氏に、大手メーカーに必要とされるロットについて尋ねた。
「比較的小規模の豆腐メーカーでも年間約1000t使用しますから、100袋あっても1~2日で使い切ってしまいます。生産者の方には、多収品種を選択していただき、県を超えて同じ品種の生産量を増やしていただくことが、大手メーカーはもちろん、多くの実需者のニーズに合います。私が東日本の生産者の方に奨めているのは、多収品種の里のほほえみです」

*1:
武陽食品(株) 米国、カナダ、中国から大豆を輸入する商社でもあり、輸入・国産大豆を各地域の問屋に卸す一次問屋でもあり、直接、町の豆腐屋に卸す二次問屋でもある。主に東日本の大豆を調達し東日本の実需者に販売している。直接取引のある顧客は400件を超える。自社で大豆の選別機も保有している。

品種は、多収であるだけでなく加工適性が伴っていることが条件であった。しかし、昨今、加工適性に対する実需者側の変化がみられる。
豆腐用の大豆には従来、粒の大きさと凝固させるためのタンパク質の含有量という加工適性が重視されてきた。しかし、昨今、大手メーカーにとっては必ずしも粒が大きいことやタンパク質含有量の高さは重要ではない。その背景には、豆腐の加工技術の進化がある。
釜井氏によると、いまや大豆の品質は豆腐の加工技術の進化によってカバーできる時代で、そこが各メーカーの腕の見せ所でもあるという。

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