ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

土門「辛」聞

信用事業の分割を蹴り続け自ら弱体化の道を選んだ農協組織

今回の農協改革で最大の成果は、農協の統合再編への道を開く「信用・共済事業分離」の規定を盛り込むことができたことだ。これこそ岩盤で最も硬い部分だった。過去に2回にわたり挑戦した政治家がいたが、いずれも抵抗勢力に阻まれた。そこを突破しただけでも、今回の農協改革は、大いに評価できる。
総合農協解体につながる事業分離に挑戦した政治家は2人いた。その2人とは、農林大臣を4度も務めた河野一郎氏と、郵政民営化を実現した元首相の小泉純一郎氏。ご両人とも実力派と世評の高い政治家だ。その2人が、総合農協解体を目指した意図を解き明かしてみたい。
順番から今月号は河野氏を取り上げてみる。

幻の河野構想

河野氏が取り組んで失敗した事業分離は、ずいぶん昔の話で農水省協同組織課に尋ねても、役所の公式文書には何も残っていないという返答だった。本当に60年前に、河野氏がそんなことを話していたのか、その確認作業から始めてみた。
河野構想が知れ渡るようになったのは、元農水官僚の山下一仁氏が新聞や雑誌などで書いたからだ。ただ、具体的な内容には触れていなかった。代表的なものなら、14年2月5日付けダイヤモンド・オンラインに掲載された、この記事。
「1955年には総理を目指していた有力政治家、河野一郎農林大臣が、農協から金融事業を分離しようとしたが果たせなかった」
これを「幻の河野構想」と呼んでみよう。農協改革が話題になると、必ず出てくる夏のお化けのようなものだ。小泉氏が、信用・共済事業分離に手を付けた10年前にも、同じような記事があちこちに出ていた。そのときもネタ元は山下氏の記事だった。なおのことお化けの正体を突き止めたく八方手を尽くしたところ、灯台もと暗し、その山下氏が書いた新聞記事から、ヒントを得ることができた。

関連記事

powered by weblio