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今年の市場相場を読む

目に見えて変化し始めたイモ類需要 サトイモ/ナガイモ/サツマイモ/ジャガイモ類

イモ類は卸売市場でも家庭でも比較的地味な品目だが、やはりなくては困る野菜である。最初から使うつもりはなくても、料理が不足すればそれを補完し、量増しのおかずといった位置づけでもある。これまでも貯蔵性があって出荷が調整できることから比較的安定供給され、消費者でも買い置きしながら利用するため、安定した消費構造で流通では底堅かった。そんなイモ類は過去20年で見ても安定した推移をしてきたものだが、最近ではもっとイモ類の商品性を積極的に活用し、アピールする動きも目立ってきた。日本の消費者にゆとりが戻ってきたことで、イモ類はどんな商材になっていくのだろう。

サトイモ
入荷減でも有望食材、確実に増えている加工・業務用需要

【概況】
東京市場のサトイモの入荷は、この20年で数量が2万t弱からほぼ半減、単価は23%も安くなった。市場への入荷状況だけを見ていると、衰退している品目かのようだが、総菜関係では幕の内弁当には必ず入っているし、東北を中心とした「いも煮」の習慣やイベントはますます盛んになっている。小売店では土付きで売られ、調理の下ごしらえが面倒くさい品目の代表格ながら、むしろ有望品種だと言っていい。

【背景】
「いも」といったらサトイモのことを指す地域は案外少なくない。サトイモが好きな人は多く、サトイモ料理は欠かせないのだ。かといって中国からの生鮮品の輸入は5000t程度(全体)に過ぎない。ところが、冷凍品は4万t近くが輸入されており、すでに味付け調理として輸入されているサトイモはさらに1万t以上あるといわれる。一般家庭では国産を使うかもしれないが、加工・業務用は中国産が圧倒している。

【今後の対応】
サトイモの需給関係から、地元で生産を振興、導入しようという動きは全国にある。家庭用を意識したものだが、最も安定した加工・業務用に「国産の生鮮」の付加価値をどう訴求するかがポイントだ。きぬかずきなど、早生種を意識した独特の料理や、サトイモの仲間であるエビイモやタロイモ、タイモなどは、日本独特の品種と調理法とで愛されている。面取りしてぬめりを取り、上品な味付けをした“和食”としてのサトイモは、むしろマイナーだ。

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