記事閲覧
筆者の祖母が81歳のときでした。家族に睡眠の大切さを熱弁していると、ひょんなことから、「おばあちゃんの“人生の3分の1”はどれくらいなのか」という話になりました。計算してみたところ、祖母は81年の3分の1である27年分を眠りに費やし、残りの54年分に起きて活動していることがわかったのです。筆者の姉は当時27歳、母は54歳でした。つまり、祖母は姉の人生分を眠り、母の人生分を起きていたのです。それに気づいてから、筆者がさらに睡眠の奥深さにはまっていったことは言うまでもありません。
5人に1人は不眠症
最近では新聞やテレビなどで、頻繁に睡眠に関する特集を目にするようになりました。これは、それだけ睡眠の重要性が認識されてきた証であるとともに、睡眠で悩んでいる人が多いということの表れでもあります。いまや日本人の5人に1人が不眠症で、3人に1人は睡眠に問題を抱えていると言われるほどです。
私たちの暮らしは便利になりました。パソコンや携帯電話の普及、24時間体制の店舗や警備……。その恩恵を享受する一方で、私たちの睡眠の質は下がり、夜遅くになっても寝ない人や眠りたくても眠れない人が増えました。睡眠不足は健康に影響が出るだけではなく、作業能率を低下させ、人為的ミスに基づく事故につながることも判明しています。
農林水産省によれば、農作業中の死亡事故が毎年約400件、発生しているとのことです。死亡事故件数を減少させるための対策が急務とされるなか、農作業安全対策の推進も図られていますが、睡眠の質を改善することでも、事故発生リスクを低減できるのではないかと思っています。
このように睡眠は、一日の疲れを癒し、明日への活力を与えてくれる、とても大切なものです。次回以降は、睡眠の仕組みや重要性、快眠法などを取り上げていきます。少しでも多くの人が睡眠に対する意識を高め、より健康で快適な毎日を過ごすお力になれれば幸いです。
会員の方はここからログイン
入江慎介 イリエシンスケ
睡眠改善インストラクター
1978年、神奈川県生まれ。2003年、成蹊大学卒業後、フランスベッド株式会社に入社。15年5月、同社を退職し、父が代表を務めるフランスベッド専門販売店・こみちに移る。趣味は、サッカー、ラーメン屋巡り、屋久島一人旅、横浜F・マリノスの応援、エキストラと多数。 http://komichis01.web.fc2.com/
ランキング
WHAT'S NEW
- 有料会員申し込み受付終了のお知らせ
- (2024/03/05)
- 夏期休業期間のお知らせ
- (2023/07/26)
- 年末年始休業のお知らせ
- (2022/12/23)
- 夏期休業期間のお知らせ
- (2022/07/28)
- 夏期休業期間のお知らせ
- (2021/08/10)