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特集

外国人訪問客向けの農産物おみやげビジネス


【おみやげ市場は7000億円】

費目別旅行支出のうち、「買物代」にはおみやげが含まれる。外国人訪問客1人当たりの買物代は5万3278円だった(表2)。これを全体で見ると7146億円もの市場がある。大量購入を意味する「爆買い」という固有の言葉がある中国がその半分近くを占め(3070億円)、台湾(1316億円)や韓国(555億円)を大きく引き離している。しかし、20~21ページの「諸外国に植物等を輸出する場合の検疫条件一覧(早見表):携帯品編」で示すように、中国はおみやげとしての青果物やコメ(精米)の持ち込みを禁じており、残念ながら販売対象にはならない。唯一、緑茶(製茶)は植物検疫証明書を添付すれば持ち込み可能だ。なお、どの国や地域も買物代に当てる費用は総じて多く、「宿泊料金」や「飲食費」などの費目があるなかで35.2%と最も高い比率になっている。

【5割の人が菓子以外の食料品などを購入】

おみやげの7000億市場ではどんなものが購入されているのか。全体で見ると、「菓子類」がトップで63.6%の人が購入しており、農産物も含まれる「その他食料品・飲料・酒・たばこ」(51.7%)がそれに続く(表3)。購入者単価では、「カメラ・ビデオカメラ・時計」が群を抜いており(6万5626円)、「その他食料品・飲料・酒・たばこ」は1万1464円と少ない。なお、来訪目的別での各費目の購入率は観光・レジャー客のほうが高いものの、購入者単価は業務客が上回る傾向がある。

【売場は空港の免税店だけにあらず】

おみやげの購入場所は空港がダントツだと思われがちだが、実際はそうでもない。1位は「スーパー・ショッピングセンター」の64.6%で、「空港の免税店」(55.7%)がそれに続く(表4)。以下、「コンビニエンスストア」や「百貨店・デパート」も5割を超えている。「100円ショップ」(18.5%)や「家電量販店(秋葉原など)」(17.5%)などでの購入もある一方、「宿泊施設」は6.1%と極めて少ない。どこで販売するのかも売れ行きを大きく左右しそうだ。

【出国は成田空港が圧倒的】

出国先には空港と海港がある。これはもちろん成田空港が圧倒的で44.3%、それを関西空港(23.0%)と羽田空港(10.4%)が追う(表5)。新千歳空港(4.4%)は、福岡空港(6.5%)や中部空港(4.9%)よりも少ない。空港の免税店はおみやげの購入場所で2位だったこともあり、成田空港に限らず、どこも販売は激戦が予想される。

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