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特集

外国人訪問客向けの農産物おみやげビジネス


昆 農園で食べるとそれだけでおいしく感じるから、おみやげ用のイチゴはもっとおいしくつくったものを買ってもらったほうがリピーターを増やすことができるのではないでしょうか。
加藤 それについては今年、いいことに気づきました。僕も最初は贈答品をおみやげとして置いておいたんです。でも売れませんでした。そこで、食べ放題のあとに残っているイチゴを自分で摘んで、それをおみやげとして持ち帰ってもらうことにしたら売れるようになりました。ただ買って帰るよりも、そういった体験がしたいのだということに気づいたのです。
昆 そういうことか。
加藤 農業の付加価値について最近、よく考えます。六次産業のように加工品をつくることは付加価値だとは思っていません。農業の付加価値とは、生産者が消費者に近づくこと。直売もそのひとつですし、農場まで来てもらって、直接、お客さんと会うことも付加価値だと思っています。
シモナ 世界的にみると、お客さんと生産者の密接な関係はコーヒーから始まりました。農家とつながりたいお客さんが多くなっています。顔を合わせて話すと次につながります。リピーターになったり口コミで広がったり、輸出できるようになったりします。
加藤 農家とのコミュニケーションは、彼らからすれば最高にクールですよ。コメは、フランスのワインのように産地形成をできると思います。バックパッカーにも、いろんな産地のコメがあるからそこまで行ってくださいと。
今井 そうですね。行くのは苦じゃないですよね。最初、食べてもらうのが一番いいですよね。地元のイベントでお米を出しますが、無料だと、後で押し売りされると思うのか食べないので、安くても値段をつけて売ったほうがいいかもしれません。まず、その地域のものを食べてもらっておいしいと感じてもらえれば、おみやげに買って帰ることにつながると思います。
シモナ それは大事なことですね。お客さんに会うとかイベントをやるとか時間がかかりますが結果は出ると思います。モノだけじゃなくて、文化的なことも伝えやすくなると、お客さんは買いたくなると思います。

【外国人への情報発信を】

昆 北海道のニセコスキー場にオーストラリア人が多いのは、ブロガーのコメントがきっかけだそうですね。いま、東京の下町にある安い旅館が外国人旅行者で満杯になっているということもあります。農業は行政がお膳立てしていることが多いけど、じつは、すぐ手の届くところにそのチャンスはあるでしょう。その仕掛けが空港でもあり、加藤さんのイチゴ狩りであり、今井さんのバックパッカーだと思います。

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