記事閲覧
【座談会】
現場で語る農業ICTとスマート化 経営者にとって必要な技術とは何か?
- 編集部
- 2015年06月25日
- この記事をPDFで読む
ITとICTの違い
――現在は、いろいろなメーカーが農業ICTを掲げた商品やサービスを提供するようになりました。数年前までは「農業IT」と呼ばれていたと思いますが、そもそもITとICTって何が違うんでしょうか?
濱田安之((株)農業情報設計社 代表取締役) ITはInformation Tech-nologyの略なので、日本語で言うと情報技術のこと。一方、ICTというのはInformation and Commu-nication Technologyなので情報通信技術になりますね。数年前まではITという言葉が広く使われていましたが、通信技術が発展して、「コミュニケーション」が大事になったので、ICTという言葉が使われるようになったのでしょう。
奥山孝明((株)夢ファーム 代表取締役) 農業分野でもそれに習って、農業ITから農業ICTって言うようになりましたね。
結城良裕 呼び方はITからICTになっていますけど、中身も変わってきたのでしょうか?
奥山 そこなんですよ、問題は。当然、ITは進化してきています。
濱田 そうですね。農作業で困っていることには、それぞれ対応する技術が開発されています。技術の進化は農業にも貢献していて、たとえば人手では大変な耕うん作業のためにトラクターがあって、田植えがしんどかったので田植機が登場したように、まっすぐ走るのが大変だという悩みに、GPSガイダンスが開発されたわけです。
結城 私もGPSガイダンスにはお世話になっています。
奥山 それ以外にも、圃場に関する情報を入力すれば、それを蓄積して、重ねて見やすい形に表示してくれる圃場管理システムがあって、うちの経営では、大いに活用させてもらっています。でも、これらがICTかというと、ITの域を出ていないように思うんです。その理由は簡単で、基本的にほとんどの機械はまだ通信ができないんですよ。
濱田 そうそうそう。機械のほうからデータが届けば、その機械の設定や動作状況を簡単に記録できるのに、今はそれを紙か何かに書いて、来年はそれを見ることになる。その設定値をExcelなどに入力すればデータとして活用できるからITではあるけれど、ICTではないと。
会員の方はここからログイン
編集部
座談会
ランキング
WHAT'S NEW
- 有料会員申し込み受付終了のお知らせ
- (2024/03/05)
- 夏期休業期間のお知らせ
- (2023/07/26)
- 年末年始休業のお知らせ
- (2022/12/23)
- 夏期休業期間のお知らせ
- (2022/07/28)
- 夏期休業期間のお知らせ
- (2021/08/10)