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編集長インタビュー

「農村経営者」の産業創造力 地域独自の価値をいかに見出し活用するか



滞在型誘客による利益を住民と共有する

昆 ここまでやると滞在型の誘客ができないかという期待を持ちますよね。この伊豆沼の周辺に宿泊施設っていうのはあるんですか。
伊藤 ほとんどありません。実は農家民泊を今年から始める予定です。
昆 それはすばらしいですね。
伊藤 苦肉の策でもありますが。当社がここで新しい事業を興すことによって雇用などの形で地域に貢献できますが、間接的な効果に過ぎません。でも、恰好つけて言いますと、農家民泊にすれば地域の農家に経済的な効果がありますよね。
昆 民宿ではなくて、民泊なんですね。
伊藤 民宿は営業許可がいりますが、小学生以下の子どもであれば特別な許可がなくても民泊として泊めることができるんですよ。今年はまず、地元の新田小学校の子どもたちに、近隣の農家に泊まってもらう予定です。
昆 慣らし運転ですね。
伊藤 泊めるほうも経験がないので。来年は東京からバスで子どもたちを連れてくる予定です。
昆 宿泊費用はどうするんですか。
伊藤 来年までに「新田地区活性化協議会」を組織し、農林水産省の補助金で賄います。地元の区長さんはじめ、事業主さん、土地改良区の理事長さんなどが執行役員です。伊豆沼農産は事務局として裏方をします。3年目からは事業として成立させるようにしたいと思います。
事業として採算をとれるようにするには、あらゆる手段を考えます。旅行代理店とも交渉を始めました。宮城県の観光協会のような県の観光行政の窓口を通したりもしています。また学校に限らず、当社の通販の顧客にも情報を発信して個人客も招こうと思っています。

昆 食事はそれぞれの農家で提供するんですか。
伊藤 皆さん、ついついサービスが過ぎて、費用がかかりすぎるということが考えられるので、食事は当社のレストランでまとめて提供します。朝食だけは各農家さんにお願いしようと思います。子どもに付き添ってくる大人は、公共施設に泊まってもらう予定です。

自然の賢明な利用がもたらす好循環

昆 ここには、誘客するのにふさわしい伊豆沼という自然がありますが、ラムサール条約に登録される前の伊藤さんが子どものころは、地域住民にはどう捉えられていたんですか。
伊藤 以前から鳥獣保護区や自然環境保全地域に指定されていましたが、農家であり町会議員だった祖父は、人間より鳥のほうが大事なのかと反対運動をしていました。田んぼの鳥獣被害がひどかったからです。私もその被害を目の当たりにして、自然と農業の共生なんてありえないと思っていました。

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