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編集長インタビュー

「農村経営者」の産業創造力 地域独自の価値をいかに見出し活用するか


昆 どうやって折り合いをつけたんですか。
伊藤 ラムサール条約は、それまでの保護だけの法律とは異なります。ワイズ・ユースというのが理念なのです。つまり賢明な利用。湿地環境を保護しながら、その湿地がもたらす豊かな自然の力を地域の産業に活かして得た利益を、また自然環境を生かすために使う。こういう好循環をしなさいということです。
登録後数年間、あまりオープンにされてこなかったのですが、その理念を知ったときに、ここの人々の考え方が変わりました。実は、登米市にも環境条例があります。その理念をつくるときに私も参加しました。ラムサール条約の考え方を入れて「自然と産業の共生」という理念を提案したところ、皆さん賛同してくれました。
このあたりは開発が遅れた地域ですが、その環境がこれからの時代には必要な資源になるのだろうと思います。先祖に感謝しながら、この資源を使って積極的に産業に結びつけていく。その考え方は登米市全体で共有されています。
昆 人・モノ・環境から地域の価値を発見してシナリオを書き、誘客産業につなげ、しかも自然と産業を共生させる。伊藤さんの農村経営構想は仕上げ段階ですね。
伊藤 実際には今からです。まだまだ地域住民の方に周知できていない。ただ発想は間違ってないと思っています。
昆 伊藤さんがこのようなことを始めたのはどんな思いからですか。
伊藤 私はここで社長業をやるのはあと5年間だけと決めています。農業と商売を30年近くやってきましたが、これからは農村のなかでイノベーションを興したいと思いました。都市農村交流という事業に踏み出すのは非常に勇気がいることでした。ノウハウもないし、事業になるかどうかもわからない。不安があったので一歩踏み出せなかったのです。でも、やらないと自分の生き様として悔いを残すと思って。 事業計画はきれいに書いていますが、これが成功するという裏付けはありません。今はむしろ計画を完成させず骨格だけをつくった状態で、都会の人と地域の人とを巻き込みながら進めていきたいと思います。
事業は継続できてこそ価値があります。5年後、継続できるビジネスモデルとして完成したら、そのノウハウをすべて公開していくつもりです。社長引退後は、妻と二人でそのビジネスモデルを全国の地方に広めていけたらいいな、と。
日本のどこかに何かやりたいという地域があれば、すぐに出向いて、その地域の人たちと一緒に遊びながら問題を解決する手伝いをするのが私の夢です。

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