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その理由の一つとして、オランダではRockwool社など国内大手メーカーが力を入れて販売を行なっていることが挙げられる。また、1980年ごろからロックウール栽培が普及したことにより、ロックウールをベースとした研究が行なわれてきたためもある。
さらに、リサイクルシステムが構築されていることも、オランダでロックウールが主流となっている理由だろう。通常、使用済みのロックウールは産業廃棄物になる。ところが、オランダでは業者が回収し、プラスチックとロックウール部分を分離した後に土を混ぜ、建材用のレンガや再びロックウールとして利用するために加工する。
一方、有機由来のココピートには微生物が含まれているため、2~3年かけて分解し、土に還る環境にやさしい培地といえる。もともと再利用可能な培土ではあるが、ココピートで世界トップシェアを占めるオランダvan der Knaap社は、国によっては契約次第で使用済みココピートを回収し、園芸培土として再利用するサービスも始めている。
ココピートはメーカーによって品質差が大きい。そのため、選択の際に価格のみに左右されず、「復元性」「EC値」「同質量での重量差」など品質を見極めて選ぶことが重要になる。
品質が高いものは病気をコントロールすれば2~3年使用可能だといわれている。ただ、オランダでは経営面積が広く、病気のリスクを避けるため、毎年取り替える果菜類生産者が多いのも現状だ。
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紀平真理子 キヒラマリコ
1985年、愛知県生まれ。2011年、オランダへ移住し、食や農業に関するリサーチ、本誌や馬鈴薯専門誌『ポテカル』への寄稿を開始。2016年、オランダVan Hall Larenstein University of Applied Sciences農村開発コミュニケーション修士卒業。同年10月に帰国し、農業関連記事執筆やイベントコーディネート、海外資材導入コーディネート、研修・トレーニング、その他農業関連事業サポートを行なうmaru communicateを立ち上げる。今年9月、世界の離乳食をテーマにした『FOOD&BABY 世界の赤ちゃんとたべもの』を発行。食の6次産業化プロデューサーレベル3認定、日本政策金融公庫農業経営アドバイザー試験合格。
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