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土門「辛」聞

玉砕覚悟か!? 集落営農をストップできない農水省の悲劇

 この集落営農に真っ先に賛辞のエールを送ってきたのが、何を隠そう、日本共産党所属の県会議員と町会議員である。この組織を8月に訪れ、ホームページに「地域農業と農家を守るためには集落営農にならざるをえない。集落営農は高齢化やリタイアする農家の受け皿」との感想を寄せ、「水分営農組合は、まさに顔の見える地域農業そのものです」と、山根局長サンが泣いて喜ぶような賛辞の嵐のオンパレード。エールを送ってきた主に聞きたいことがある。それならば、旧ソ連のソフホーズやコルホーズ、中国の人民公社が大失敗した歴史的事実をどう総括されておられるのか。一度、ゆっくりとお聞きしたい。山根局長サンと日本共産党地方議員が同じ価値観を共有しておられるのは不思議大発見! 山根局長サンの「集落営農幸福論」や、共産主義者が理想とする営農モデルには絶対にならない。検証しよう。

 作業委託料金は次の通りである。耕起10a当たり4500円。代掻き同5300円。田植え同5600円。刈り取り同1万6500円、乾燥調製1袋(30kg)830円。この地区では平均的な作業委託料金だ。

 5作業を委託した場合、農家が営農組合に支払う10a当たり作業委託料金はいくらになるか。答えを出すには、乾燥調製のみを10aに換算しなければなるまい。前提となるもち米の収量は10a当たり8俵とした。1俵(60kg)当たり1660円だから10aで1万3280円。従って、すべて合算した料金は4万5180円となる。これ以外の費用もある。水稲苗の購入費だ。農協から買うことになる。10aあたり運搬費込み1万5000円程度。肥料農薬なども農協からの購入だ。ざっと見て肥料1万円、農薬6000円程度か。これに農業共済掛金3000円、水利費5200円の出費がある。集落営農参加経費1000円というのも新たに加わった。農家の出費分はトータルで8万5380円にもなろうか。

 農家の手元にいくら残るか。農作業の委託料金は、コメを売って得た代金から払ったり、それでも足りぬ場合は兼業先収入などの一部を宛てるが、第一義的にはコメの販売収入がポイント。昨今は、兼業先収入が少なくなり、農家はなるべくコメの販売代金だけで作業料金をまかなうことを考えている。

 水分地区は、麦2年、コメ1年のブロックローテーションだ。コメといっても全農県本部との間でもち米の契約栽培だ。品種はひめのもち。農協は、今年産のもち米の概算金を1俵(60kg)1万2000円と提示した。ひめのもちの全農の販売価格は1万4620円。差し引きすると2620円になる。これが全農・農協の手数料・経費となる。もち米は大幅過剰で市中での取引価格は1万2000円だ。相場より2500円以上も安い。契約栽培でなければ農協も生産者も大変なことになる。

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