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今年の市場相場を読む

取り戻せるか野菜文化と“ゆとり” サラダ菜/パセリ/シシトウ/シュンギク

貧すれば貪するといわれる。ツマ物的野菜は、料理に彩りを添えるものだけに、経済面や精神面での余裕がその食文化を育てる。残るものと消えるものの差は、文化としてどれだけ定着していたか否かだ。20年にわたる不況下で、日本人の精神的な余裕は失われた。添え物的な野菜類の入荷は減り、他の食材に代替されていった。とすると、また景気が回復すれば、取り戻したゆとりによって、本来の食材のリバイバルは十分にありうる。とりわけこのところ、外国人観光客が“日本的な食”を求めて歩き回っている。かえって日本人のほうが、そんなにいいものだったんだ、と気がついたりしているからだ。

サラダ菜
意外に支持された洋食の飾り需要。味はまだでも機能性に強み

【概況】
東京市場におけるサラダ菜入荷20年の経過を見ると、入荷量全体では2割強の減だが単価も同様の率で安くなっている。いまは業務用需要が中心のため、年末年始など荷動きがいい冬場には大きなピークはなく、むしろ作りやすい春から初夏にかけてがやや多い。昔からの主産地である千葉は不動で常に5割前後のシェアを持っているため、続く福岡、静岡などは千葉の調整産地という位置づけ。この3県で計9割を占める。

【背景】
用途としては洋食系の添え物野菜に特化している。長い不況下で用途の広いレタスなどに替わることなく、2割減程度に収まった。単価が下がったのも、他の野菜への代替を防ぐ販売の工夫による。さらに、定番メニューのスタイルを変えなかった外食店が意外に多かったということか。サラダ菜は独特の形状の葉物で、皿に飾るのにちょうどいい大きさで形もいい。飾り野菜としての用途をもっとアピールしてもいいのではないか。

【今後の対応】
人々に余裕が戻ってくれば、同じ料理でもちょっと凝ったものにしたいと思ったりもするだろう。サラダ菜は明らかにかつてより安くなっている。外食で食べるサラダやサンドイッチなどでその付け合わせになっていれば、それを家庭で再現させることも可能だ。最近急速に増えている“工場野菜”でもサラダ菜の人気は高い。出荷量も増えていくだろう。食べずに残して捨てられる。味はまだまだ改良の余地が大きいが、機能性はけっこう優良だ。

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