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人生・農業リセット再出発

PPTが天才への道


房総半島、太平洋の荒波が押し寄せる海岸に鴨川があり、そこで日蓮が生まれた。天然鯛の群れが押し寄せて海面が波立つ「鯛の浦」があり、その漁村で生まれたもう一人の天才がいた。1752年、江戸中期。彫刻のうまい「波の伊八」だ。寺社建築に付き物の欄間には芸術的で繊細な彫り物が多い。波の伊八が彫った龍は、ほの暗い空間に浮かび上がる迫力があり、天才の作品は随所に残された。トラさんで有名な柴又帝釈天の欄間も現存している。日蓮誕生寺の境内にある「伊八の館」村田館長が見せてくれたものにあ然とした! なんと、葛飾北斎の代表的な富嶽三十六景「波裏の富士」とそっくりの彫刻がそこにはあった。大波が覆いかぶさる遠方に富士山が見える大胆な構図のあの絵である。北斎は何度も鴨川まで足を運んで伊八の教えを乞うていたとのこと、北斎の構図も実はパクリだったのである。それがヨーロッパ文化や世界へ大きく影響を与えていたとは驚きである。 
 パクリが悪いとは言っていない、すばらしい手本があればこそ才能が開花するのだ。ただし、蚕だけが絹を吐く。才能があってもパクる価値のある手本に出会わなければ始まらない。人生も同じこと、成幸するには、成幸者に会え! ということである。歌舞伎役者は下手とは絶交するしきたりがある。PPTとは“パクって、パクって、使う!”の意味である。使って初めて自分の創造性で花を開かせることができる。「真似る⇒学ぶ⇒仕事を似せる⇒老舗」と言葉も進化する。 ドビュッシーは、波の伊八に会いに、日の出ずる憧れの日本にまで来ている。

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