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編集長インタビュー

ニッチに踏み込む独自経営術 農機が新たな産地を作りだした


昆 やはり世代交代が重要なんです。いまの20代、30代はタイプが違って豊かな時代に育ち、消費ということからものを考えられる。彼らは技術や機械についても昔の人とは別の考えをしますね。ところで枝豆関連の機械のマーケットはいつごろから伸びてきたのですか。
中村 いつからというよりも、最初からヒットしましたね。おそらく潜在的な需要はあったんでしょう。最初に投入したのは小型のKEというタイプ、続いて中型のKXというタイプ。能力的には数倍に膨れ上がったにもかかわらず、KXはKEと同じぐらいの台数が売れました。
昆 海外市場はいかがですか。とくに米国では枝豆の需要があるのではないですか。
中村 ええ、あると思いますね。米国人は80~90年代よりも段々と舌が肥えてきているようです。かつては冷凍枝豆で満足していた。それが2000年になると、まともな枝豆が流通するようになり、いまではどこで収穫したのかというぐらいうまい生の枝豆が出回っています。
昆 これからすごく伸びるのではないですか。
中村 可能性は大いにありますね。いまから10年以上前にワシントン州立大学で農学部の先生に会って話を聞いたんです。そこは実験農場で独自の枝豆の品種を作っているところでした。その先生に米国における枝豆の普及の見通しについて聞いたら、「絶対米国人の食生活に入ってくる。ただ、まだ時期は早い」。あれから10年が経ち、独自の枝豆の品種を開発するようになっていますね。

マーケットからのプル 最終消費から逆算する

昆 話は戻りますが、やはり人がやらないことをやるところに、成功の秘訣があると思います。そのうえで大事なのは最終消費から逆算するといいますかね、生産側からのプッシュではなく、マーケットからのプルだよと。農家にとっての魅力ではなく、消費者にとっての魅力を考えないといけないのです。
中村 現会長がミツワを創業して40年、私がそれを継いで10年ちょっとが経ちます。経営を引き継いで思ったのは、この会社は非常によく作られた会社だなと。なりは小さいが、中身は充実している。ただ一方でニッチなマーケットに寄りかかっている。しかもいずれの機械も開発してから20年とか30年とかいう年月が経っている。そういうなかで今後どうしようかというのが悩みです。うちの柱は果樹人工交配機器と枝豆の収穫調製機器、干し柿の生産と加工の機器です。この3本に寄りかかっているだけなら成長はない。むしろ右肩下がりになりかねない。それでいろいろと試しましたが、生産者側から考えると、どんな農機を開発すればいいのかがわからない。もちろん生産者の声を聞くのは大事です。ただ、生産者の話を聞いても、自分の生産体系に合わせてほしいとなってしまう。その意見を聞いて、どれだけ売れるのかです。むしろ耳を傾けなくてはいけないのは、農作物を買ってくれる人たちではないか。彼らが何を要求しているのかということ。消費者と生産者とを結びつければ、新しいマーケットが作れるのではないかと。それで「結(ゆい)」という会社を始めました。

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