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岡本信一の科学する農業

現状と目標は数値でつかめ


もちろん、耕し方が悪かったのだとわかれば、耕し方を変えるという選択になる。問題はその耕し方だ。多くの方が土壌改良などに取り組みつつも、成果が出たり出なかったりするのは、耕し方に問題があるためだと疑いたい。

目標を数値でつかめば無駄な作業はなくせる

これまでにも書いてきたように、露地の土耕栽培においては、植え付け時に結果はほぼ決まっている。植え付け前の耕起こそが栽培の仕上げなのだ。そして、その仕上げの方法には、まだまだ改善の余地があるはずだ。問題は適正な改善ができるかどうか。改善したつもりでいながら、実際の結果を正確に把握し、適切に評価できなければ意味がない。
誰もが知っているべき土壌の物理性についても、明確な目標指標というものが未だ存在しない。冒頭、土壌にはまだわからないことも多いと記したのはそのことだ。
しかし、指標さえあれば、誰でも手軽に土壌の物理的な条件を最適なものに変えることができるようになるだろう。耕起のための作業機などはさまざまな種類がそろっており、後はどれをどのように使えばいいかを検討すればよい。
これは永続的な営農に不可欠な有機物の投入の仕方についても言える。目標となる状態を数値化できれば、無駄な作業工程と有効な作業工程をはっきり分けることができる。
必ずしもすべてを数値に置き換えなければ科学的な栽培にならないということではないが、数値でつかめれば、感覚的にしか捉えられなかった目標を明確にし、誰にでも理解できる可能性が高くなる。それは、新しい作業工程を考えることにも大いに役立つだろう。
これからも、科学的な考えを重視した農業を推進していきたい。

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