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【今年の市場相場を読む】
不況の影響を受けた果実的野菜の行方 イチゴ類/スイカ類/メロン類/アールスメロン
- 第228回 2015年09月04日
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イチゴ類
2大品種から県独自品種の時代に。複数品種が共在するゆとり
【概況】
東京市場におけるイチゴ類の20年を見ると、入荷量全体では15%の減少程度、平均単価もほぼ同じだ。大きく変わったのは、栃木県の「とちおとめ」がシェア4割の絶対的主産地となり、福岡県独占の高級品種「あまおう」が3割高で、シェア18%の2位。さらに現在は県別品種時代ともいえ、佐賀県を中心とした「さがほのか」、静岡県の「紅ほっぺ」など多様化時代。最近では、県別の品種も複数登場している。
【背景】
かつて2大品種時代は、同じ品種を多くの県が売るから「○○は我が県のほうがおいしい」などという馬鹿な競争をしていた。いまや同じ県から複数の品種が出荷されているから、県の特徴がさらに際立つことになっている。消費者にはハッピーな時代になった。レストランなどでも、少量多品目のイチゴは店のPBのような感覚で扱える。客も他の店にないメニューに満足する。イチゴは繊細できれいだから、シェフたちを刺激する。
【今後の対応】
イチゴ類が不況で大きなダメージを受けなかったのは、県別品種というオリジナル性と多様化によるところが大きい。栃木県の「スカイベリー」、茨城県の「いばらキッス」、宮城県の「もういっこ」、奈良県の「古都華」、香川県の「さぬき姫」、長崎県などは業務需要向けの「ゆめのか」が増えた。さらに、試験中の品種や外国品種、個人の農家が少量作って直売や家庭消費しているような品種まで、小売店や業務用に動き始めた。イチゴはさらに伸びる。
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