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今年の市場相場を読む

不況の影響を受けた果実的野菜の行方 イチゴ類/スイカ類/メロン類/アールスメロン

果実類は野菜のような必需品ではなく、いわゆる嗜好品的な地位にあるため、長い不況で大きな影響を受けた。健康のため1日200g食べましょう、などと宣伝されてはいても、どうしても購買頻度や購入金額は減少する。永年果樹である柑橘類や落葉果樹などは出荷レベルではあまり劇的な変化はないものだが、果実的野菜については、野菜同様に相場の変化に連動して容易に増減する。だがいま、不況からの脱出の流れが見えてきた時期を迎えて、果実的野菜類はどんな対応を見せるのだろうか。嗜好性が高いだけに、新しいもの、珍しいもの、最近では機能性の高いものなどが売れるだろう。

イチゴ類
2大品種から県独自品種の時代に。複数品種が共在するゆとり

【概況】
東京市場におけるイチゴ類の20年を見ると、入荷量全体では15%の減少程度、平均単価もほぼ同じだ。大きく変わったのは、栃木県の「とちおとめ」がシェア4割の絶対的主産地となり、福岡県独占の高級品種「あまおう」が3割高で、シェア18%の2位。さらに現在は県別品種時代ともいえ、佐賀県を中心とした「さがほのか」、静岡県の「紅ほっぺ」など多様化時代。最近では、県別の品種も複数登場している。
【背景】
かつて2大品種時代は、同じ品種を多くの県が売るから「○○は我が県のほうがおいしい」などという馬鹿な競争をしていた。いまや同じ県から複数の品種が出荷されているから、県の特徴がさらに際立つことになっている。消費者にはハッピーな時代になった。レストランなどでも、少量多品目のイチゴは店のPBのような感覚で扱える。客も他の店にないメニューに満足する。イチゴは繊細できれいだから、シェフたちを刺激する。
【今後の対応】
イチゴ類が不況で大きなダメージを受けなかったのは、県別品種というオリジナル性と多様化によるところが大きい。栃木県の「スカイベリー」、茨城県の「いばらキッス」、宮城県の「もういっこ」、奈良県の「古都華」、香川県の「さぬき姫」、長崎県などは業務需要向けの「ゆめのか」が増えた。さらに、試験中の品種や外国品種、個人の農家が少量作って直売や家庭消費しているような品種まで、小売店や業務用に動き始めた。イチゴはさらに伸びる。

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