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イベントレポート

2015年度 土を考える会 夏期研修会 中国四国


さらに500mほど離れた場所にある大型冷蔵施設へ。3棟の冷蔵庫は1~2℃に保たれ、2000コンテナを収納できる規模である。
講演会場に移動した後、本田氏の経営マインドを聞いた。地元の高校卒業後に上京。21歳で愛媛に戻り、実家に就農したものの、ミカン農家は儲からないと判断し、養豚を始めたところから、現在は、7つの法人で代表をつとめている。
ビジネスの「普通」を農業の「普通」にできないかという原点、一度発生した問題は二度と起こらないように徹底的に対策を施すなど、ストイックな経営スタイルが紹介された。経営管理に基づく知識と将来像を描き、着実にそのゴールを目指している、実直でありながらもダイナミック過ぎる姿に参加者らは圧倒されていた。

経営管理はの基礎は財務諸表の読み方にあり

続いて、講義編の齊藤氏が登壇した。経営管理の基礎をわかりやすい事例を交えて、解説した。特に財務諸表を簡単に読み取り、理解する方法が紹介され、引き続き理解を深めたいという感想が多く聞かれた。
ディスカッションでは、経営管理の認知度を参加者同士で確かめながら、比較的多かった30ha以下の経営でも数字を抑えて、避けがちなお金の話もしっかりしていく必要があるという声が挙がった。最後に参加者全員がこれからの5年でどのような方向性を目指しているのかを自己紹介代わりに話し合い、情報交換会へと場所を移した。

工場の設備投資も農家の経営管理と同じ

翌2日目は(株)井関松山製造所の工場見学へ。年間2万4000台のトラクターと3万4000台のエンジンを製造する工場を案内され、参加者らは興味深く眺めていた。
また、今回の視察テーマに沿って、工場の設備投資の考え方について、情報が提供された。
工場で使用する金属加工から旋盤、塗装まで工作機械類は投資計画の中で更新が進められている。財務省によると、減価償却期間は12年、ある調査による実際の更新までの期間は16年という。限られた財源で効率的な投資を行なうためには「できるだけ長く使う」をモットーに掲げて、長く使い続けることが重要。同工場の機械は1日当たりの使用時間にもよるが、20~50年使われ続けている。これを支えているのは、機械を実際に使っているオペレーターによる「自主保全活動」と「専門保全」。各農場でも、導入した機械を長く使い続けるための考え方は同じだ。単なる工場見学では終わらない、中身の濃い研修会となったという感想が聞こえた。

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