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編集長インタビュー

将来の日本農業を担う生産者とともに歩む 栽培から売り方までトータルにかかわる事業展開

種子、農薬等の資材販売から栽培指導まで展開するシンジェンタジャパン(株)。世界の動きを捉える外資企業ならではの視点で、日本農業を俯瞰的に眺め、そして微に入り細に穿つ策を打つ。こういった発想力はどこから生まれるのか。篠原聡明社長に話を聞いた。 文/平井ゆか・編集部

日本農業が直面している
グローバリゼーションの波

昆吉則(本誌編集長) 篠原社長とは昔からお付き合いがありますが、世界の農薬業界も日本の業界も、農業の情勢も小売の情勢も、社会そのものが変わってきましたね。その反面で農業は職業であり、産業であり、事業であるわけだから、生産者としての責任と誇りを持つべきだと言いながら、いろんなかかわりをさせていただいてきました。初めに日本の農業界にどんな認識を持っていらっしゃるのかうかがいたいと思います。
篠原聡明氏(シンジェンタジャパン(株) 代表取締役社長) 日本の農業には地域に根ざしたローカル産業というイメージがありますが、ふたを開けてみるとやはりグローバリゼーションが進んでいる産業のひとつと認識しています。例えば家畜の餌は国内の農業で自給できている部分は3割以下ですね。毎年1400万tもの飼料穀物を海外から輸入して、日本の食生活が成り立っています。まず、日本の農業の背景にはそういう現実があることを認識しておかなければならないでしょう。
昆 そのうえで我々がどうするべきか考えなければいけないということですね。
篠原 その現実を踏まえての私どもの課題は、シンジェンタが持っている技術やサービス、もしくは、グローバル企業として世界各地で展開しているいろいろなノウハウや情報などを集約して、これから変わっていくであろう日本の農業に貢献することだと思います。
昆 例えば、事業的経営者や先端的な生産者を対象にした栽培管理の技術指導は求められていますよね。貴社の農薬や資材だけじゃなくて、トータルな意味合いでの栽培管理コンサルティングが海外では機能しています。もちろん、先進国と途上国とでは異なるアプローチで取り組まれていると思いますが、ご紹介いただけますか?
篠原 そうですね。各国の農業事情に応じて展開しています。農業コンサルティング的な事業展開が進んでいるのは、スペインやオランダの集約的な施設栽培をしている地域ですね。こういうところでは、独自にハウスの事業を面積単位で受け持つだけでなく、1社だけではノウハウを蓄積できない部分についてはローカル企業と緩やかな提携をして、同じ生産者を種子や肥料、農薬、機械、かん水システムなどシステム的にサポートしているようです。生産者からは面積当たりでコンサルティング料をいただいています。

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