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編集長インタビュー

将来の日本農業を担う生産者とともに歩む 栽培から売り方までトータルにかかわる事業展開


昆 私なんか文字どおり、茹で蛙になる前にぬるま湯の間に飛び出して、凍死しそうになるという感じです(笑) 
篠原 これからは同じ立場で一緒になって生産者に向き合う活動をしていくJAや流通、卸の方々とのパートナーシップが重要になってくると考えています。いままでは全農流通と一般の商社流通と2つに分かれてやっていたのが、全農さんとも卸さんとも、将来の日本農業を担う生産者のために一緒にやりましょうという発想がどんどん広がってきているように思います。
昆 具体的にはどのように商売のやり方が変わってきていますか?
篠原 例えば、いま、野菜の生産から消費まで全体を考えようという取り組みを進めています。
昆 全農さんと組んでやられたケースもあるんですよね。
篠原 トマトの事例ですね。傘下のJAの生産者に対して、種子を提案して、それに合った農薬を提案するなどの栽培指導を進めると同時に、ブランドのコンセプトを作り、全農の持つ流通チャネルでどう販売していくのかという部分にもかかわりました。こういう事業展開のことを我々はインテグレーテッド・プロデューサー(Integrated Producer:以下、IP)と呼んでいます。
昆 高く売れるというより、お客さんが高く買ってくださる仕組みづくりですね。
篠原 いかに生産者が作った農産物をお客様が高く買ってくださるように貢献できるか。それが私どもの事業の究極の目標だと思っています。そのためのツールとして、私どもの種子の品種があり、農薬の技術があると考えています。
昆 社会は減農薬の方向にこれからも進むと思いますが、減農薬という言葉よりもっといい表現はないんでしょうか。減農薬の話になると、アンチ農薬の議論になってしまうので。
篠原 そうですね。農薬の使用は効果だけでなく、確実に持続可能でなければなりません。抵抗性の出現を避け、IPMという概念を基本として農薬などの化学的防除に頼るのではなく、生物的防除や輪作などの栽培管理の最適化により消費者が受け入れてくれるクオリティの農産物をいかに作っていくか。そこが本質だとは思っていますが。
昆 おっしゃるとおりで安全・安心な農産物というのも気持ち悪いですね。もともとは技術開発する側が安全だと主張するんじゃなくて、お客さんに安心してもらうための技術や情報提供を供給する側がやりましょうという意味だったわけです。その部分については供給者側の責任として、積極的に消費者に向けたお取り組みをされてきましたよね。

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