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今月の数字

5割(セブン&アイ・ホールディングスが目標に掲げる地域限定商品の取り扱い割合)

地方都市で駅ビルのテナント店として農家産直店を運営する女性と久しぶりに会った。やり手のその女性は自社農場以外にも多くの農家から品目を調達するだけでなく、顧客のニーズに応えて農家に開発を依頼した商品を店で販売もしている。
先日ある農協からトマトケチャップ以外の加工品について相談を受けた際に「ドレッシングだけは絶対やめて。最近流行りでどこでも作っているけど、700円くらいの高い商品を買ってくれといってもそんなに売れない。作るならペーストのほうがいい」と言ったそうだ。同感だ。
地方ならではの農産品といいながら、新しい商品や売れる商品と聞けば、あっという間に類似商品が作られ、結果として全国津々浦々でジャムやドレッシングが道の駅や直売所に並ぶことになる。最近では同じように黒ニンニクや甘酒などの商品開発が全国で進んでいる。これらの商品は食品衛生法上の施設設置基準等の規制が他の加工方法に比べそれほど厳しくないため、生産者が小規模な設備投資で加工施設を整備できる。つまり、作る側の事情で増えている商品なのだ。使い手の場面を考えずに作ったストーリー性の希薄な商品の場合、「物珍しさ」以外で地域を越えて普及していくことは難しく、類似品が全国に出回ると、地域を訪れる観光客が「ご当地商品」として買い求めることはなくなってしまう。

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