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トウモロコシのはなし

輸入トウモロコシに依存する日本


当然のことながら、これだけ米国への依存度が高いと、トウモロコシの輸入価格は米国の状況に大きく左右されることになる。輸入価格を形成する基本要素は、輸出国の在庫状況、為替相場、原油価格(米国からの海上運搬は約1カ月に及ぶため、原油が高騰するとその分価格に上乗せされる)の3つだが、この10年間で2回の大幅な価格上昇を経験している(図2)。
1つが06~08年にかけての大幅な価格上昇だ。きっかけは05年8月8日設立の「2005年エネルギー政策法」に盛り込まれた、いわゆるバイオエタノール政策である。バイオエタノールの原料は、当然トウモロコシだ。以前からバイオエタノールはつくられていたが、政策の中でその使用量を06年の40億米ガロン(注)から、12年までにほぼ倍の75億米ガロンまで増やすよう義務化された。これに伴い需給状況が変化し、さらに投機筋によるトウモロコシの先物買いの影響を受けて、徐々にトウモロコシ価格が上昇した。
これに拍車をかけたのが、08年に米国各地で起こった干ばつである。穀物全体の在庫量が減少し、トウモロコシをはじめとする穀類全体が高騰、全世界を挙げての食糧難となった。08年9月のリーマンショックによって、一部の投機筋がトウモロコシ投資から撤退することで若干価格は低下したが、それでも05年以前の水準に戻ることはなく、以後高止まりの状況となっている。
2回目の価格上昇は、12~13年のカリフォルニア州を中心とした56年ぶりとも言われる大干ばつによる。米国のトウモロコシ在庫は低迷し、価格が高騰した。
注:1米ガロン=約3.8リットル

米国依存からの脱却

しかし08年の食糧難を経て、これまで米国一辺倒だった需要は徐々に変化してきた。表2は各地域からの輸入量の変遷をまとめたものだ。下段に書かれているパーセンテージがその年のシェアになる。
05年には全輸入量の94.1%を占めていた米国産トウモロコシは、14年に83.6%へと10.5%もシェアを落とした。代わりに増えてきているのが、ブラジルやアルゼンチンなどの南米産、ウクライナやルーマニアなどの東欧産である。13年には米国の干ばつのリスクを回避するため、南米産を43.6%も輸入した。米国産と品種や管理方法が異なるため、品質はやや劣るとの評価だったが、この年の平均輸入価格は08年ほどの高値にはならずに済んだ。
表2でもう1つ注目しておきたいのが中国だ。05年には米国に次ぐ4.7%のシェアがあったが漸減し、14年にはついにゼロとなった。中国国内での経済発展による食肉需要増、それに伴う家畜の増加でトウモロコシ需要が増加したことが第一の理由だ。輸出どころか今後は輸入国に転じ、20年には日本の輸入量を超えるとも言われている。

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