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トウモロコシのはなし

輸入トウモロコシに依存する日本


中国産の輸入減少にはもう1つ理由がある。10年に発生した宮崎県の口蹄疫も起因しているのだ。この口蹄疫では約30万頭の牛、豚などが発症・予防のために殺処分された。国の疫学調査でも結局原因は特定されなかったが、牛の敷き料として利用されていた中国産稲ワラが原因と噂され、畜産業界では中国産の稲ワラ、飼料原料などの輸入を一切やめた。10年までに輸入されていた中国産トウモロコシの98%は家畜の飼料用として使われていたため、11年から急激に輸入量が減った。
これらの状況から考えると、今後中国をトウモロコシの輸入国として選択する可能性は、限りなく低い。
今後の懸念材料となっているのは、輸入価格と他国の需給動向である。価格は05年以来高止まりを続けており、これから反収がどれほど伸び、栽培面積が増えたとしても、上がることこそあれ、下がることはないというのが一般的な見方だ。
また、中国、ブラジル、インド、ロシアなどの経済発展、人口増による食糧、食肉需要の増加はすさまじい。これに伴って世界各地で日本はトウモロコシの買い負けに直面している。これまで相手国と築いてきた関係を上回るマネーパワーで経済新興国がトウモロコシを狙っている。
今後も日本は安定してトウモロコシを輸入し続けることはできるのだろうか? 次号では、世界の生産需給動向からそのヒントを探りたい。

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