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顧客に喜ばれる麦・大豆づくり

小麦の“非奨励品種”の生パスタ「ルルロッソ」が留萌地方の特産に

ルルロッソとは現在、北海道・留萌地方でのみ生産している秋まき硬質小麦を原料とした商品名だ。なかでも留萌市のフタバ製麺が開発した生パスタは、発売からわずか4年間のうちに、地域の人々に愛され地産地消の食材となった。留萌地方に客を呼び入れる目玉となり、全国の都市部の一流レストランのメニューに並ぶまでの軌跡を追った。 文/平井ゆか
秋まき硬質小麦を原料とした生パスタ「ルルロッソ」は、いまや北海道・留萌地方の特産品のひとつに挙げられる。ルルロッソとは、(独)農研機構北海道農業研究センターが開発した「北海259号」を原料とする小麦粉や生パスタなどの商品名である。北海259号は奨励品種に登録されておらず、ランク区分に応じた助成金はない。
そのルルロッソが地元の特産品に成長したのはなぜか。留萌市でこのパスタを製造・販売している(株)フタバ製麺代表取締役の仲田隆彦氏と、隣接する小平(おびら)町でルルロッソを生産する林寛治氏の話を元にその理由をひも解きたい。

国産小麦の生パスタと
ルルロッソとの出会い

ルルロッソの生パスタが世に出たのは、2011年のことである。始まりは、約20年前にさかのぼる。
フタバ製麺は61年、うどんの製麺会社として創業した。うどんやそうめん、そばを製造していた同社がパスタの製造に乗り出すきっかけは、約20年前に創業者の仲田尊美(たかみ)氏のイタリア旅行だった。
旅行中に現地のパスタを口にしたとき、尊美氏はイタリアのパスタは自分の舌には合わないと感じたという。食の好みや食文化はそれぞれの国や地域で異なる。中国のラーメンが日本人好みに進化したように、パスタにも本場イタリアのパスタとは異なる日本好みの味があるはずだ。帰国後、息子の隆彦氏に相談した。
「日本人の好みに合ったパスタづくりに挑戦したい」

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