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土門「辛」聞

農協のカルテル・入札談合体質にメス!ここ数年の独禁法抵触事案から何が見えてきたか


それを5農協は、全農山形県本部庄内統括事務所に担当者(部長クラス)が集まって取り決めた。公取委は、その行為をカルテルと認定したのだ。

少しは襟を正したのか

定額制への移行について、農協関係者は、河北新聞に「コメの価格が乱高下し、農家も農協も安定して収益が計算できる定額制への要望が高まった」と語ったが、これはまったくの嘘っぱち。農家が要望するのは、手数料の引き下げだ。
それよりも農協が阿漕(あこぎ)なのは、定額制への移行にかこつけて、手数料収入を増やすことに成功したことだ。米価が下がった14年産の販売手数料は、農協が卸に販売するときの価格(14年9月~15年7月の平均相対取引価格)に2.9%の旧手数料率をかけると、350円程度。農協は60円ほど儲けたことになる。
この後日談のようなものも紹介しておこう。先に触れたコメの概算金のことだ。14年産までは各農協の担当者が集まって取り決めてきた。15年産米から、農協がそれぞれの判断で決めるようになった。それまでの取り決め方が、公取委からカルテル行為と認定される恐れがあったので、少しは襟を正したようだ。

ホクレン絡みの入札談合事案
ホンボシの尻尾はつかみそこねたが…

第2次安倍政権が誕生して3カ月目、公取委は安倍晋三首相がTPP交渉に参加表明して10日後というタイミングで、ホクレンが絡む入札談合に着手した。これに目星をつけたということは、ものすごくわかりやすい。
北海道には、TPP交渉で市場開放の対象となる作物が目白押し。コメ、麦、酪農、畜産、砂糖の原料になる甜菜などだ。市場開放が実現しても、国際競争に耐えられるようにしておきたい。象徴例として、農協や連合会が、入札談合などで落札価格を吊り上げ、それを農家に押しつけるケースを取り上げた。
公取委が目をつけたのは、野菜を貯蔵する倉庫の低温空調設備工事をめぐる入札だった。北海道の農協は、市場開放に備えてコメや麦から野菜への切り替えを急いでいた、これに応えて農水省は野菜の貯蔵倉庫の低温空調設備工事に多額の補助金をつけていた。その補助金は、TPP交渉に反対する農協組織を懐柔するようなものだった。

不公正な取引方法

ホクレンは、その工事で施主代行という立場だった。ちょっと耳慣れぬ用語だが、工事の発注主のことを指す。この場合は、農協。全農や経済連は、その施主代行として入札事務を取り仕切っていた。

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