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ネギ
中国産は加工業務用に特化。伸び著しい夏秋産地が代替狙う
【概況】
20年前、東京市場には中国産ネギの入荷はほとんどなかった。いま全体で5万tを超える膨大な数量になっていることを考えると、いかに日本がバブル経済崩壊以降の不景気がすごかった、と逆に感心する。対日品目として中国はなぜネギを選んだのだろう。例えば企業的農業ならまずトマトに手をつける。しかし中国人は、ネギなら鮮度保持が比較的容易で、日本マーケットの業務加工用に大きな需要があると見抜いたのだ。
【背景】
輸入ネギは、ギョウザ事件後から加工業務用に特化した。卸売市場においても中国産は入荷するが、中小業務用食材の品ぞろえ用で、ほぼ需要者が固定している。最近の中心はカット業者による刻みネギ加工用になった。ネギはタマネギ同様、食味も香りも国産と輸入品に差はない(輸入品のほうが香りは強いという声もあり)。中国からのネギの輸入はこの先も変わらないだろう。ただし、最近の加工業務用需要で九条系の青ネギが増えてきた。
【今後の対応】
千葉、埼玉、茨城などの関東圏からは入荷減。青森、秋田、北海道などの夏秋産地の伸びが著しく、全体としてネギの生産意欲は高いものがある。ごく簡単にいえば、加工業務用だとしても、そのマーケットは5万tで単価200円として100億円もある。この未開拓な分野を放っておく手はない。全農もようやくそれに気づいて各県連に栽培・技術指導を始めた。ここでも、業務用青ネギの振興を忘れてはならない。大きな需要が発生するはずだ。
キャベツ類
輸入は完全に加工業務用に特化。差別化の試みも
【概況】
東京市場のキャベツの入荷をこの20年の経過で見ると、年間18万t程度であまり変わっていない。輸入量全体では、すでに20年前から年間3万~5万t程度で、これもほとんど変化がない。昔からキャベツは、国産が品薄で高騰すると非常に敏感に輸入が増える。ところが、東京市場への入荷となると、20年前には5万tを超える輸入があったにもかかわらず入荷は1%以下。13年においても実数で200tに満たない。
【背景】
東京市場には年間18万t以上も入荷しているのだから、輸入品入荷量200tという数字は無視できる。この数字は、余ったキャベツを市場に捨てるに等しい。そもそも市場側には集荷の意志はなく、委託で持ち込まれたようなもの。輸入が多いのは冬春キャベツの時期で、12月あたりから3月くらいまで。カット野菜の企業が緊急手当て用として使っている。最近増えている加工業務用野菜も夏春時期は作りたがらない。
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