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特集

乾燥野菜の進化形 チャンスをとらえるヒント集

もはや乾物とは呼べないような乾燥野菜が、最近数多く出回るようになった。食品加工会社は次々と新製品を発売。保存性や手軽さ、栄養価の高さといった従来のアピールをしているだけではない。健康食品、ダイエット食品、さらにはファッション性を訴求するメーカーも出てきている。もちろん非常食としても。一方、農業六次化の流れのなかでも、乾燥野菜に焦点を当てている地域は多い。そこでは規格外あるいは廃棄野菜の活用も意図されている。いずれも新たな流れといっていいだろう。この潮流が、農産物の消費拡大にどこまでつながるのか。一過性のブームを越え、食文化として定着できるのか。マーケット動向を見据えながら、新たな需要開拓の道を探る。文/平井ゆか、窪田新之助、八木誠一

野菜の需要拡大を目指す
乾燥野菜マーケットー最近の動向

かつて農家では、乾燥野菜を当たり前のようにつくっていた。切り干しや割り干しの大根、乾燥イモ、干し柿などなど。地域によって材料は異なるが、いずれも重要な保存食として食文化を支えてきた。なかには凍み大根、凍み餅といった一種のフリーズドライさえ寒冷地域には残っている。
商品化された乾燥昆布や干しシイタケは、和食のダシあるいは煮物素材として欠かせない。自家製乾燥野菜は減ったとはいえ、「乾物文化」のDNAはいまでも生き続けている。
ところが最近は、いわゆる乾物という枠から抜け出した製品が数多く出回るようになった。インスタント麺の登場が乾燥野菜の新たな需要をつくりだしたことは、エポックメイキングではあったが、現状はそれを遥かに超えるところまできている。
そもそもインスタント麺は、スーパーなどの売り場では、乾物のコーナーにはない。即席みそ汁も同様だ。しかも消費者は、こうした商品が、乾燥野菜を使っていることなどほとんど意識しないで購入している。単なる具。それでもインスタント麺や即席みそ汁のマーケットは大きいので、具である乾燥野菜のマーケットも連動して大きい。
この2種類の商品群を全体として見れば、乾燥野菜の成功例といっていいだろう。そこからさらに新たな展開が始まっている。まずは乾燥野菜をめぐる最近の動きをざっと振り返っておこう。

【乾燥野菜に対する
関心の高まり】

乾燥野菜に対する関心の高まりは、料理レシピを掲載し人気を博しているWEBサイト「クックパッド」からも見てとれる。乾燥野菜のレシピが急増しているのだ。「乾燥野菜」で検索すると、伝統的な料理からおしゃれなパスタやスープまでさまざまなレシピがずらりと出てくる。乾燥野菜メーカーでも、レシピ紹介には力を入れ、クックパッドに投稿もしているが、料理好きの発想はそれを上回る感あり。

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