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特集

乾燥野菜の進化形 チャンスをとらえるヒント集



【新分野も切り開く
旺盛な開発意欲】

こだま食品の設立は1972年。母体となったのは野菜の卸から転じた漬物製造だった。設立から間もなく、乾燥野菜にも手を広げていく。それが現在では、大半が乾燥野菜になった。アイテム数にして100超。新製品開発も旺盛だ。
現在市場に出回っている乾燥野菜の種類はひととおりラインナップされているといっていい。単体乾燥の葉物・根菜・果物。これらはパウダーとチップの両方ともある。加えて味噌汁や粥などの複合加工品。青汁やゴボウ茶といった分野にも進出を果たしている。この青汁とゴボウ茶は、モンドセレクション金賞も受賞した。
こうした各種製品の原料となる野菜は、関連会社の農業生産法人こだま試験農場(株)からも調達する。県内世羅町にある農場面積は約18ha、有機JAS認定も取得した。とくに、有機をうたった商品には欠かせない農場となっている。
最近話題になっているスムージーの関連商品「美すがた」の主要原料も有機農場の生産物だ。本来のスムージーは生鮮野菜や果物をミキサーで攪拌してつくるが、当然これも粉末。牛乳で溶いて飲むダイエット補助食品だ。
難消化性デキストリン使用(つまり消化されないから太らない)。香料・砂糖・甘味料、着色料不使用の酵素が摂れるスムージー。
時代の流れといえば、たしかにそうだろう。しかし、乾燥野菜がダイエット食品として売り出されるとは、10年前には想像できなかったに違いない。

【食品を彩る
パウダー需要の増加】

「業務用と一般消費者用が半々といったところでしょうか。最近ではスムージーやスーパーフーズ(チアシードなど)関連の商品が伸びていますね。やはりブームの影響は大きいと思います。パウダー製品は、着色料としての用途が増えてきました。お菓子や麺に練り込んで使う。合成着色料と違って訴求効果も高いですし、風味も出ます」(同社取締役・高橋啓太さん)
加工食品原料は輸入品に頼るところが大きい。こだま食品も、中国上海に関連会社を置き、輸入業務を行なっている。ただ、野菜も含めて中国製食品に対するイメージは回復していない。加えて、為替の変動などもあって中国からの輸入はリスクを伴うものとなってきている。消費者の国産志向も強まってきた。こだま食品でも、中国からの輸入は減ってきているという。
その国産野菜原料。こだま食品は自社だけでなく、全国各地に協定工場を持っている。
「乾燥野菜といえども鮮度が命です。鮮度が良くなければ乾燥しても品質の高いものはできません。だから野菜産地にできるだけ近い場所で加工するほうがいい。協定工場を持っているのはそのためです」

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