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特集

乾燥野菜の進化形 チャンスをとらえるヒント集


野菜生産者からの引き合いも多い。いわゆる規格外野菜を買ってくれないか、というのもそのひとつ。捨てるくらいなら、安くても買ってもらえれば、といった目論見なのだろう。
「規格外野菜はかえって手間がかかります。選別、洗浄、下処理。安く仕入れられれば安い製品が提供できると考えられがちなんですが、そう簡単にはいきません。こちらとしては、たとえば栄養価が高いとか付加価値のあるものでないと……。商談があるのは事実ですが、成立まで持っていくのは難しいですね」

企業紹介
こだま食品(株)
広島県福山市駅家町法成寺
1575-9
TEL:084-972-7777
URL:http://www.kodama-foods.co.jp
従業員数 : 90名
(株)こだま試験農場 : 18ha

乾燥野菜の本場・熊本を支える
「国産原料100%」の存在感
吉良食品(株)(熊本県大津町)

熊本県は国内でも乾燥野菜の生産が盛んな地域である。その熊本にある吉良食品(株)は、40年以上にわたって乾燥野菜の製造・販売に携わってきた。使用する原料野菜は、自社農場(22ha)をはじめとする九州やその周辺の地元産。国産野菜へのこだわりは強い。
乾燥の技術には、お湯を加えると素材の食感や風味、うまみが戻るというエアードライを採用している。
業務用の販売ルートを持っており、小売店に並ぶ乾燥野菜の商品や、さらにそれを加工した商品のなかには、吉良食品の乾燥野菜が使用されているものも多い。

【業務用かやく生産から
個人向け商品へ】

吉良食品(創業当時の社名は熊一食品)が創業した1972年は、農業政策の大きな転換期だった。減反政策の始まりである。時を同じくしてインスタントラーメンの市場が急成長していた。
当時、コメの生産者だった初代の吉良春雄さんは、自分を含め地元の生産者の所得を確保しようと、インスタントラーメンのかやく用に乾燥野菜の事業を始めた。
最初に手がけたのはネギである。その後、インスタント焼きそば用の乾燥キャベツの生産も始める。インスタント麺以外のマーケットにも拡大させ、生産量が増えていった。
しかし、中国などからの輸入品が増えたため国産のかやくの需要は減少してしまう。ただ、この数年で国産志向の動きがあることから、またインスタント食品の業務用の市場に参入するつもりはあるかと尋ねると、常務の吉良将彦さんはそれには首をかしげた。
「そのマーケットに再び入るのはかなり厳しいと思います。輸入品に代わるには、かなり価格を下げないといけないので、売り上げが伸びても利益は出ませんし、消費者にもメリットがないのではないでしょうか」

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