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特集

乾燥野菜の進化形 チャンスをとらえるヒント集


つまり、カテゴリーが流動的になり、データとして補足しきれない事態になっているともいえよう。
少なくても、小売店や通販の商品ラインナップは増えた。みそ汁やスープなどのインスタント食品の多様化に伴って具材としての使用も増えている。
ページ右下のコラム「インスタント麺と乾燥野菜」でも触れているように、業務用は国産原料主体で立ち上げられたものの、その後、輸入原料主体に切り替わった。日本凍結乾燥食品工業会によると、家庭用も含めて国産品への回帰が見られるという。周知のように、外国産に対して市場の不安が高まっており、乾燥野菜市場にもその影響があると考えられる。
一方の家庭用。業務用を生産するメーカーでも、家庭で調理する食材として少量ずつ包装し販売するところが目立ってきた。たとえば熊本県の吉良食品もそのひとつ。同社によればこの1、2年で家庭用の商品が伸びているという。
同じ熊本県の野彩八巻(株)も家庭用主体で「HOSIKO」ブランドを展開している。日本館の和食が大人気と報道されたミラノ万博の出店企業でもある。
新潟県の「(株)たべたがり」は六次産業認定事業者の農業生産法人。やはり家庭用をメインに加工販売している。
二次加工食品では、みそ汁やスープ類のインスタント食品が増えた。とくに野菜などの具材と調味液を一緒に加工するフリーズドライ技術による商品の伸びが著しい。
フリーズドライのみそ汁を主力とする天野実業(アマノフーズ)では2014年、08年度比でスーパーマーケットなどの量販市場において5倍の売り上げを見せている。90年代までは主に通販や百貨店が販路だったが、2000年代後半にはスーパーマーケットが本格的に加わり、13年にはコンビニに本格導入されたという。
これらのニーズの高まりは、世帯人数の減少や個食化の増加によるものがベースにある。
天野実業によると、とくに通販の顧客は国産志向が強い傾向にあるという。同社のフリーズドライのみそ汁は1983年の発売時、原料に国産野菜を使用した。一時、外国産の冷凍ものを使用したこともあったが、食味の観点からも外国産から国産に戻したものもある。現在、原料の7割は国産野菜。この割合は、二次加工の商品を製造・販売する企業としては高い。
こうした国産志向のニーズの高まりを受け、14年には「国産具材100%使用」と打ち出した通販専用ブランド「まごころ一杯」のシリーズを発売した。

【用途の拡がりが

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