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乾燥野菜の製造販売でも認定を受けた団体はかなりの数に上る。宮崎県の(有)ハート・コーポレーションは岐阜県の(株)八尋産業と組んで規格外野菜を活用。広島県の(株)こだま食品とJA尾道はアスパラガスをパウダー化。(有)野菜くらぶ千葉と岐阜県の(株)エフ・ジーの提携などなど。
認定を受けるかどうかは別として、六次化に取り組んだ事例には事欠かない。ただし、市場に参入する場合にはリスクが大きいことは踏まえておきたい。前述のように乾燥野菜市場は本来、外国産との競争のなかにあり、そのなかで専門業者がしのぎを削っている。
六次産業化が始まって以来、ジャムやジュースをつくったものの売り先がないという話をよく聞く。販売量が少なければ、それだけ設備投資の負担が大きくなり、利益は生まれない。助成金を使っても撤退したときに負債だけが残る場合もある。販売主になる場合は、事前に入念な経営計画が必要だろう。
今回情報収集でコンタクトをとった福島県南会津町の例をちょっと紹介しておこう。ここでは09年度から、規格外野菜を乾燥して商品化を図った。地元レストランでは、カボチャパウダーのリゾットやアスパラガスパウダーを練りこんだトマトラーメンなどをメニューに取り入れた。しかし笛吹けど踊らず。野菜生産者はあまり乗ってこなかったという。整備した乾燥施設は障害者施設に移管され、乾燥野菜そのものは現在も生産が続いている。
乾燥野菜市場に参入するには、すでに専門的に加工し販売ルートを持っているパートナーを見つける必要も出てくる。取引する場合には、相手側の要求にも耳を傾けなければないだろう。たとえば、フリーズドライ食品では、衛生管理上、土が付いた野菜を加工工場内に入れることができない。そのため野菜は洗浄、殺菌、カット、冷凍した状態で納品されているという。また、家庭向けの商品を製造・販売している一次加工業者と取引しようという場合でも、需要がある品目を把握する必要がある。
最後に長野県長野市の鬼無里(きなさ)地区のことを紹介しておきたい。山里の常でもあろうが、ここは古くから乾燥野菜がつくられてきた。現地の直売所「ちょっくら」には、乾燥野菜がずらりと並ぶ。たぶん全国的に見ても乾燥野菜の品ぞろえの多い直売所だろう。カボチャ、ナス、ピーマン、エリンギ、もちろん切り干し大根も。
こうした伝統を活かして新たな展開もなされている。農家レストラン「素そばな亭」は乾燥野菜料理が売り物のひとつ。ソバとセットになった小鉢だが、欠かせない料理になった。しかも調理法の講習会もほぼ定期的に実施されている。
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