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有機栽培にもかかわらず顧客直送はゼロ、100%卸業者に販売で経営を成り立たせていくためには作物ごとに売り先を常に考えて工夫する必要がある。たとえば甜菜は国内大手製糖工場に納入する場合、作物を洗浄する必要があり、有機栽培では採算が取れにくい。そこで同農場は6haの小規模栽培で、小さいシロップ会社に輸出し、独自の販路を見いだしている。
スペルト小麦はグルテンフリーの栄養価が高い古代種で近年需要が増えた。他の有機栽培農家とまとめて業者に販売している。
ジャガイモは病害により近隣の慣行農家の感染源になってしまう可能性があるため、コストはかかるが7月のまだ生育しきっていない段階で圃場を焼く。Agrico社よりAgriaの種イモを購入し、9月上旬に土塊除去と選別を含むDewulf社の2畦けん引式ハーベスターで収穫し、Agrico社へ販売する。
12年からはBonte Bentheim種の養豚も始めた。13年よりバリウム代替のカノコソウ、14年から風邪薬代替のエキナセアを薬用として栽培を開始した。ちなみにハーブに関しては契約ベースで納入価格を設定し、市場価格に左右されないので、今後重要な作物になると考えている。
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紀平真理子 キヒラマリコ
1985年、愛知県生まれ。2011年、オランダへ移住し、食や農業に関するリサーチ、本誌や馬鈴薯専門誌『ポテカル』への寄稿を開始。2016年、オランダVan Hall Larenstein University of Applied Sciences農村開発コミュニケーション修士卒業。同年10月に帰国し、農業関連記事執筆やイベントコーディネート、海外資材導入コーディネート、研修・トレーニング、その他農業関連事業サポートを行なうmaru communicateを立ち上げる。今年9月、世界の離乳食をテーマにした『FOOD&BABY 世界の赤ちゃんとたべもの』を発行。食の6次産業化プロデューサーレベル3認定、日本政策金融公庫農業経営アドバイザー試験合格。
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