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土門「辛」聞

やはりTPPは「闇鍋」のサプライズ 合意内容をチェックしながら今後の動向を探る

筆者は、農産物の市場開放には理解を示しながらTPP交渉反対のスタンスをとっていた。反対したのは、交渉の決着内容が明らかにされないからだ。市場開放は日本農業発展のため絶対に必要なことである。コメや麦など畑作作物は、農家の所得補償にメリハリをつけることで国際化への対応は十分に可能だ。メリハリとは所得補償の対象農家を絞ること。
その意味で、農水省が平成19年産から導入した経営安定対策は、補助の対象を4ha以上(北海道10ha)としたことで、ひとつの方向を示した。TPP交渉合意を受けて、もっと真剣に議論されなければならないテーマである。
さてTPP交渉は、まさに闇鍋交渉の趣だった。闇鍋とは突飛な材料を鍋に入れることで、獣医学科の学生のコンパでは、解剖した犬の肉を入れるところもあったらしい。
TPPにも、このような闇鍋サプライズがいくつかあった。重要5品目(コメ、麦、牛肉・豚肉、乳製品、サトウキビなど甘味資源作物)は、事前の報道があったのでさほど驚きはない。サプライズは、やはり果樹や野菜など園芸作物に加工品の関税撤廃か(政治家は敬称略)。

【コメ・麦】マークアップ削減の影響は大きい

──とうとうTPP交渉が妥結したね。内容はどうだったか。
関税に限ると、試合に勝って勝負に負けた品目があれば、勝負に勝って試合に負けた品目もあった。TPP交渉の場が試合、その後の展開を見通してのことを勝負とした。試合で勝ったのは、特別輸入枠7万8400tで決着したコメだろう。
──ではなぜ勝負には負けたのか。
この程度の輸入枠の増加なら、高額助成の飼料米の生産を増やすことなど小手先の減反で対応が可能なはずだ。ところが減反強化すると、その分、米価は下がらない。米価が下がらないと、コメの需要はさらに減退。しかも小麦は事実上の関税となるマークアップが45%も下がる。8年先のことだが、その先に待ち構えているのは、需要が減り、さらなる減反だ。
──そのマークアップをもう少し詳しく知りたい。
コメ・麦は、いまも国家管理貿易だ。農水省が、外国から輸入して、製粉会社や商社などへ販売する。輸入価格と国内への販売価格の差がマークアップ。利益のことだ。麦の場合は、キロ当たり17円、計800億円の差益があった。コメは逆に150億円の差損。これは価格の安い飼料米として販売しているからだ。

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