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Opinion

オランダのマネジメント(管理)型ジャガイモシロシストセンチュウ対策

8月に日本で初めてジャガイモシロシストセンチュウ(以下、Gp)が確認されたとの発表を受け、オランダでの対応状況について識者の意見を聞いてみた。

Gpへの対応は根絶から
マネジメントへと意識が変わった

Thomas Hans Been博士(ヴァーヘニンゲン大学・植物寄生性センチュウと化学的防除の専門家)
オランダでは、Gpは感染した種イモを介して国内に侵入してくるといわれている。ジャガイモを栽培する限り、感染は避けられず、また感染が確認された時点で流入からすでに10~20年が経過し、機械に付着したGpを含む土壌が媒介となって生産地に広がっている場合が多い。政府は過剰反応をしがちで根絶しようとするが、結果的に不可能なのが現状だ。
我々は40年以上、薬剤を用いてGpの駆除を試みてきた。他の多くの国々でも同様に化学的防除が採用されたものの、薬剤の多量使用による地下水汚染問題が発生したことから、Gpの根絶からマネジメント(管理)へと意識が変わった。現在、感染圃場に対する薫蒸剤と殺線虫剤の使用が大幅に削減((1))された一方、小規模感染の早期発見((2))、抵抗性品種の使用((3))、最低3作物による輪作の採用、トラップクロップ((4))や浸水方法((5))のような管理方法をベースにしたマネジメントを行なっている。さらに、NemaDecideという意思決定支援システム((6))で専門家が化学的根拠をもって生産者にアドバイスすることが可能になった。オランダでは、Gpは生産者にとってもはや脅威ではない。
私は30年間、センチュウ類の検疫コントロールのために働き、政府にその管理方法を提案してきた。長い間、こうしてセンチュウ類と戦ってきた経験や知識は日本にも活用できると信じている。(談)

(1)薫蒸剤と殺線虫剤の
使用を大幅に削減

kg当たり100gのオキサミルを含むVydateが一般的だ。EUの規制で現在はトータルで10~40kg/haの使用にとどめられている。また、kg当たり100gのフォスチアゼートを含有するNemathorinも7.5~30kg/haの範囲で使用が許可されている。

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