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(2)小規模感染の早期発見
Gpの感染範囲の拡大抑制と感染経路を管理するため、Verordening PA aardappelmoeheid 2008(Gpに関する規制2008)を制定。圃場でGpが検出された場合、Dutch Food Safety Authority(NVWA、オランダ食品消費者製品安全庁)から当該生産者に措置が示された通知を出す仕組みになっている。
・除去圃場と未感染圃場との距離を150m以上開ける。
・措置の実施後、すぐに感染圃場を最低14日間、Virtually Imperme-able Film(不透過性フィルム)で覆う。
・最大150平方mの緩衝地帯は、除去圃場と住宅とその他施設(学校、商業施設、オフィス)との地籍境界の間として使用する。
・除去圃場では薬剤を少なくとも深さ20cm以内に施用する。
同団体からこうした通知を受け取った生産者はGpの除去に努め、処置が完了したら報告しなければならない。
(3)抵抗性品種の使用
オランダでは、品種登録をするとリスト化され、2年間に及ぶ政府によるチェックで毒性グループごとに抵抗性レベル1~9がリストに記載される。センチュウ類が存在しない圃場でのみ栽培が許可される種イモに対して、それ以外の生鮮用などを感染圃場に作付けする場合は次の3つを守らなければならない。
・抵抗性レベルが十分と見なされる品種を選択する。
・定着した当該センチュウの毒性グループに抵抗性がある品種を使用する。
・今年から感染圃場では抵抗性レベルで7以上の品種だけが使用を許可される。生鮮用、加工用ジャガイモを栽培するためには抵抗性スコアが8または9の品種を使用する必要がある。
なお、ジャガイモシストセンチュウ(以下、Gr)とGpの抵抗性品種に定評がある育種会社のTPC社によると、いままで数カ国に抵抗性品種をライセンスアウト(使用許諾)してきたという。過去の例で「センチュウ類は存在しないので抵抗性品種は不要」と話していた国で発生が確認され、必要になったケースが多いそうだ。オランダにもセンチュウ類の激発地帯があるものの、抵抗性品種のおかげでジャガイモの生産を続けることができている。同社は、GrとGpの両方に抵抗性の高いTorontoやMonte Carloなどの品種を保有し、今後も2、3年ごとに新品種を登録していく計画だ。
(4)トラップクロップ
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紀平真理子 キヒラマリコ
1985年、愛知県生まれ。2011年、オランダへ移住し、食や農業に関するリサーチ、本誌や馬鈴薯専門誌『ポテカル』への寄稿を開始。2016年、オランダVan Hall Larenstein University of Applied Sciences農村開発コミュニケーション修士卒業。同年10月に帰国し、農業関連記事執筆やイベントコーディネート、海外資材導入コーディネート、研修・トレーニング、その他農業関連事業サポートを行なうmaru communicateを立ち上げる。今年9月、世界の離乳食をテーマにした『FOOD&BABY 世界の赤ちゃんとたべもの』を発行。食の6次産業化プロデューサーレベル3認定、日本政策金融公庫農業経営アドバイザー試験合格。
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