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【江刺の稲】
未来から逆算して現在を考えよう 経営者と関連産業の共同を
- 『農業経営者』編集長 農業技術通信社 代表取締役社長 昆吉則
- 第235回 2015年12月02日
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コメに関しては、新規に拡大される輸入枠7万8400tへの対策として、増加分に相当する国産のコメを政府が備蓄用として買い入れて主食用のコメの価格が下落するのを防ぐとしている。
牛肉と豚肉の生産者に対する支援策として従来からある、生産者の平均的収入が生産コストを下回って全体で赤字経営になった場合に、その赤字分の8割までを国と農家でつくる積立金から補填する制度を法制化して恒久的な措置にする。補填の割合も9割に引き上げるとしている。それに加えて豚肉では、これまで50%だった生産者負担分を牛肉と同じ25%に軽減するとしている。
次の参院選を控えてTPPに強く反対してきた農業団体、農業関係者をなだめるには、十分な対応なのだろう。ただし、保護にかかる一般財源の負担増加は避けられない。
筆者の感想は、現在を守るために未来をつぶすなである。TPPの影響はある。それゆえに国内対策が取られるのは当然であろうが、保護すべきものとしての現在がいかなるものかをさらに検証すべきだ。とりわけコメ分野において。
牛肉と豚肉の生産者に対する支援策として従来からある、生産者の平均的収入が生産コストを下回って全体で赤字経営になった場合に、その赤字分の8割までを国と農家でつくる積立金から補填する制度を法制化して恒久的な措置にする。補填の割合も9割に引き上げるとしている。それに加えて豚肉では、これまで50%だった生産者負担分を牛肉と同じ25%に軽減するとしている。
次の参院選を控えてTPPに強く反対してきた農業団体、農業関係者をなだめるには、十分な対応なのだろう。ただし、保護にかかる一般財源の負担増加は避けられない。
筆者の感想は、現在を守るために未来をつぶすなである。TPPの影響はある。それゆえに国内対策が取られるのは当然であろうが、保護すべきものとしての現在がいかなるものかをさらに検証すべきだ。とりわけコメ分野において。
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昆吉則 コンキチノリ
『農業経営者』編集長
農業技術通信社 代表取締役社長
1949年神奈川県生まれ。1984年農業全般をテーマとする編集プロダクション「農業技術通信社」を創業。1993年『農業経営者』創刊。「農業は食べる人のためにある」という理念のもと、農産物のエンドユーザー=消費者のためになる農業技術・商品・経営の情報を発信している。2006年より内閣府規制改革会議農業専門委員。
江刺の稲
「江刺の稲」とは、用排水路に手刺しされ、そのまま育った稲。全く管理されていないこの稲が、手をかけて育てた畦の内側の稲より立派な成長を見せている。「江刺の稲」の存在は、我々に何を教えるのか。土と自然の不思議から農業と経営の可能性を考えたい。
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