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実践講座:したたかな農業を目指す会計学 続・入るを計り出を制す!

第十二章 前半を振り返り、経営分析を復習しよう

島耕作からの熱いメッセージ

『島耕作の農業論』は、7章で構成され、じつによく農業問題が理解できる1冊であった。おさらいとなる情報も多く、「メイドイン・ジャパン」「農地」「合理性」「米」「攻め」の5つのキーワードから各章が展開され、農業立国宣言(第1章)に始まり、農業未来論(第7章)に至る。
農業立国宣言とは文字通り、日本農業は多くの可能性が秘められた成長産業であり、日本経済の盛り返しの柱だとくくられる。第7章の農業未来論は、世界的な競争力が日本の農産物に備わっており、農業にかかわる人が多様になれば、さらなる日本農業が発展に向かうとしている。
最初の農業立国宣言ではサントリーホールディングス(株)の新浪剛史社長が、最後の未来論では(株)久松農園で「小さくて強い農業」を目指す久松達央代表が、それぞれ筆者の弘兼憲史氏との対談で登場する。愛読書『課長 島耕作』がフィクションながらも、筆者の多くの取材からリアリティーあふれる作品であることから察すると、引き合いに出した事例のみならず、農業現場とその歴史を勉強し、打ち立てた農業論と見るべきである。弘兼氏の語る「徴農制度」などの面白アイデアも、漫画の挿絵とともに楽しめる本である。他業界からの農業界への熱いメッセージだと勝手に受け取り、考えを及ばせなくてはと思った。

農業経営者からの
3つの返礼

そこで返礼として、私たちが今後の農業経営の舵取りを考えるうえで、認識を強く持たなければならない事項を3つ述べてみたい。
1つ目は、農業界はおかしなことだらけという事実だ。農業者がじつは一番よく知っており、強く感じていることである。改善や改革をせねばと常に旗が揚がるところを見ても、農業団体や公的機関、農水省ですら早くから気づいている。
残念ながら、自浄作用と自然治癒力が低いため、あっという間にガット・ウルグアイラウンドから20年以上が経過してしまった。弁護すると、公地公民制度に始まり、農業が1500年も官営で進められたことが影響している。考える農民を育て、機械化を進め、自由貿易を前提とした資本主義による農業は、戦後から70年足らずの歴史なのだから。
保護政策の代表格といわれる水田農業=コメづくりの租税・国策はその典型であろう。かつての我が国は幾度となく、食べることに難儀する経験をした。時代が移りゆくたびに田んぼは、国や侍、地主、耕作者と持ち主を変え、耕す仕組みは引き継がれてきた。

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