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顧客に喜ばれる麦・大豆づくり

機能性食材として注目される大麦

大麦は、麦ごはんや麦味噌、麦茶など昔ながらの食材としてなじみのあるものだが、昨今、別の顔を持つようになった。今年スタートした「機能性表示食品」制度により、大麦由来のβ-グルカンの機能性をうたった3商品が受理されている。今回は、β-グルカンの機能性と、その科学的な根拠をわかりやすく表示する制度を活用した大麦商品に焦点を当てた。 文/平井ゆか
麦ごはんといえば、ドラマ「おしん」を思い浮かべてしまう世代としては、このところの麦ごはんのオシャレ感がまぶしい。
麦ごはんの「麦」は大麦を指す。大麦は、二条大麦と六条大麦の2つの皮麦と、はだか麦に大別される。はだか麦とは、脱穀すると簡単に皮がはがれて裸になる麦のことで、うるち性ともち性を持つものがある。もち性のはだか麦は、もち麦と呼ばれている。各種統計では、二条大麦と六条大麦を合わせた「大麦」と「はだか麦」に分類されているが、ここでは合わせて大麦と呼びたい。
大麦はそれぞれの特性により、さまざまな用途がある(表1)。どの食品も日本人にはなじみ深いものだが、麦味噌や麦茶、ビール、焼酎原料の需要が大きい。なかでも昨今、注目されているのは、麦ごはんだ。
コメと一緒にたいて食べる大麦商品には、押し麦、白麦、米粒麦がある。押し麦は、真ん中の黒条線というスジを残して圧ぺんしたものである。白麦はスジに沿って2つに割り圧ペンしたもので、米粒麦は2つに割り、圧ぺんせずに米粒のように丸い形のままに加工する。
十数年前から雑穀ブームが訪れているが、大麦の場合は一過性のブームにはならないと思われる。大麦に含まれる「β-グルカン」が健康の維持、増進に役立つ機能性を持つと科学的根拠に裏付けられているためである。

「β-グルカンが含まれている」
だけでは購買につながらない

β-グルカンは、水溶性食物繊維の一種である。β-グルカンの研究は、1941年に米国のルイス・ピレマー博士が、パン酵母から抽出したのが始まりといわれ、これまでの研究成果から、高脂血症や糖尿病の予防効果があると報告されている。大麦には約3~5%含まれており、穀物のなかで最も多くβ-グルカンを含有しているのが大麦なのだ。

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