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今年の市場相場を読む

輸入激増野菜から何が見えてくるか キュウリ/ハクサイ/トウモロコシ/マッシュルーム

毎年年明けに出される野菜の輸入統計は、青果業界だれもが関心をもって見る。とりわけ前年に比べて大幅に伸びた品目については、その理由・背景が知りたい。単なる一過性か、これからさらに増え続ける背景をもつものか、判断・検証は必要だ。TPP妥結によって安いものがさらに入ってくる、との判断もあるだろうが、逆に見れば、その輸入分を国産化で横取りできる。すでに輸入されているのは日本にそれを受け入れるマーケットがあるからだ。輸入増大は恐れる要因ではなく、日本のマーケットの需要を教えてくれている、と解釈すれば、ビジネスのターゲットが労せずして理解できるのだ。

キュウリ
輸入品が前年比11倍に。ミニキュウリのメニュー提案を

【概況】
東京市場2014年の対前年比は入荷量が4%減、単価では5%高。この程度の年ごとのバラツキは、それほど特殊なものでなく、夏秋野菜産地が干ばつだったりすると、すぐに現れる。ところが貿易統計によると、この年輸入キュウリは前年比1072%、約11倍だ。夏場3カ月に合計10t、うち8tが東京市場に入荷している。内訳は米国と韓国とで8対2の割合だが、なぜ米国からキュウリが?

【背景】
貿易統計でキュウリは「キュウリ及びガーキン」にまとめて分類されている。米国から入ってきているのは「ガーキン」のほうで、ピクルスなどで多用するミニキュウリのこと。韓国とは違い、日本のキュウリと同じものではない。「キュウリ及びガーキン」は05年には900t近く輸入されていたが、13年にはなぜか1t。だが14年には11t入ったので、数字的には前年対比1072%という途方もない数字になったのである。

【今後の対応】
しかし、ガーキンの輸入はいま限りなくゼロに近づこうとしている。需要は少ないものの、国産で賄い始めたからだ。一時、この太めのミニキュウリも「ミニ野菜シリーズ」として成長が期待されたが、一般には用途がピクルスくらいのもので人気が出なかった。が、せっかく国産が代替しているのだから、一般消費者においしい食べ方を提案するべきだ。もうすでにクックパッドには、いくつかのメニューが紹介されている。

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