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イベントレポート

オムロン元常務の成田重行氏が講演 農村経営研究会の定例会



料理をする母ちゃんたちを競わせる

ここでは地域の主婦たちが毎回12品目の大皿料理を作っている。盛況で客足は絶えない。人気の秘訣は従業員の主婦たちを集落ごとのチーム制にしたこと。どういうことかというと、チームごとに一週間の輪番制で調理を担当させたのだ。このポイントはチームごとに料理の腕を競うようになったこと。集落ごとのオリジナルの料理が出てくるようになるので、自然、客は何度通っても飽きない。おまけに従業員の主婦たちは日々のレシピづくりに追われることがなくなる。担当の一週間を乗り越えれば、二週間はほかのチームが担当するからだ。その期間にレシピのヒントも生まれてくる。

事例(2)岐阜県神岡町流葉

続いて紹介したのは、10年以上前に地域開発に携わった岐阜県神岡町の流葉。ここはかつてスキーで多くの観光客を呼び寄せたが、当時はすでにその面影はなくなっていた。70軒あった民宿は20軒にまで減り、いずれも廃業しようとするようなところだった。
成田氏が考えたのは、少なくてもいいから、毎日一定人数以上の来客をつくること。具体的にはスキー場にウォーキングコースを設けることを提案した。しかも、地域の中でも地域開発に意欲のある人たちに声をかけ、彼らと一緒に手づくりのウォーキングコースをつくることにした。地域の住民全員に声をかけなかったのには理由がある。
「公平に全員に声をかけないといけないという話があるが、そういう主張をする人は現実を知らない。意欲ある人たちだけでまずは始めることがうまくいく秘訣」
成田氏は、「地域には思っている以上にすごい人物が多い」という。流葉にもたとえば樹木の医者「樹木医」がいる。あるいは花や鳥に詳しい人がいる。彼らは鳥の声を聞いたり見たりすれば、即座にその名前を言い当てられる。
観光客のなかには地域の人たちより花に詳しい人がいる。むしろ、地元の住民たちが花について教えられることもある。すると、住民たちは植物学の書籍を読みあさり、さらに勉強に励むようになったという。

事例(3)山形県金山町谷口

事例の最後として紹介したのは、山形県金山町谷口という集落でのソバによる町おこし。成田氏は、小学校の旧校舎が解体されるということを聞き、解体せずに残して地域おこしの拠点「四季の学校」をつくった。
この学校では、都会から人を呼び、四季に応じた各種の体験ができるようにした。山菜の収穫や川魚釣りなどをプログラム化したのだ。そういう分野に長けた地域の住民に先生になってもらい、生徒である参加者に教えてもらうようにした。

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