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紀平真理子のオランダ通信

肥料規制をめぐる問題


(3)飼料中のプロテイン量を減らし、堆肥に化合物(クレイや微生物)を加え、堆肥の質の向上を図る
(4)土壌構造の向上(重機での土壌負担軽減)や土壌生態の強化(バクテリア、ミミズ、生物)により窒素の効果を向上させる
(5)以上と関連して、作業の時期(牧草を刈る、施肥)を適用する
しかし堆肥によるアンモニア排出量もまた問題となっていた。80年には堆肥からのアンモニア排出量は年間20万t以上。その37%が牛舎や貯蔵設備からだったものの、56%が施肥した牧草地から検出された。そのため、91年にEUは最大還元量をN170/haとし、冬の間や夜間に牛舎にたまった糞尿をタンクに溜めることを定めた。
この規制により液体堆肥は牧草の下にインジェクターで注入しなくてはならない。インジェクターは大きく、高価なので通常の生産者はコントラクターを活用しているのが現状だそうだ。
アンモニア排出量を減らすための施肥(堆肥)テクニックは通常施肥よりコストがかかる。年間1000~3000の堆肥を使用するとインジェクターの機械コストが150~200ユーロ/h、結果としてインジェクターを使用した堆肥アプリケーションには4ユーロ/立法mかかるとされている(注)。
北部の生産者は 「牧草の上への施肥なら、軽い機械を使用するため土壌構造に負担がかからない、また周囲を木に囲まれた中に小さい圃場があるという景観を守りたい。コントラクターではなく自分たちで施肥が可能なら、最低限の施肥量で済む。我々の堆肥はミネラルマネージメントにより平均より質が良く、結果的にアンモニア排出量も少ない」と主張している。ちなみに、これはまだ結論が出ておらず、毎年環境系協同組合と政府間での交渉が行なわれている。
EUは環境保護対策が進んでいると知られている。政策や規制を制定するだけでなく、実行するにあたりさまざまな議論と交渉がなされ、いまなお続いているのが現実だ。

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